Nicotto Town



きょうのおつかい

と言っても俺がお使いしたわけではない。 


スーパーで晩飯の支度を整えていると、両手にわけわからん位の荷物を抱えた幼稚園児くらいの男の子が居たわけだ。 
あぁ、入り口のカゴは背が届かんわなぁ。 

しかし、こんまいガキんちょでもそこは男なわけで。 
無闇に助けることはプライドを著しく傷つけてしまう事もあるのだ。 

「ぼん、カゴ取ってきたろか?」 
首をふるふると横に振る。 
こういう時は彼が泣き出すまでそっとしとくべきである。 


が。 


スーパーの店員がカゴを持ってきてお使いの手伝いを始めてしまった。 
ぼんちゃんは泣きそうな顔になってしまってる。ほーれみたことか。 
でもそこは男なわけで、口をへの字にして我慢していたのであった。やるな。 


無事レジを終えて後は帰る支度。 
しかし、袋詰めをする台に背が届かないわけだ。 
しゃーなしに地べたに座り込んで袋詰めを始めるのだが。 


ガスボンベ3本 
カップラーメン(大きいサイズ)を4つ 
ご褒美と思われるジュース500cc 
ほかなんかゴロゴロ 


これは無理だろ 
バランスよく袋に入れるのもだし、持って帰るのもだし。 

「ぼん、袋入れるのん手伝ったろか?」 
ふるふる。 
あぁ、あくまでも男を貫きますか。 


袋詰めに10分くらい掛かってたかな。 
よーく見ると財布を台の上に置いてるわけだ。 
首から下げるタイプのやつにしとけよ、というかお使いのメモもよく見たら「ラーメン」「ガス」とかすげー適当にしか書いてなくてそりゃ可哀想だわ、つーか荷物の量からして無理だろ。 
色々な事をぼんの親に対して思いつつも、とにかく一番思ったこと。 

(こいつ絶対この財布忘れるw) 



やっぱりwwwwww 



財布を渡すついでに耳元でこそっと囁く。 
「俺も今から帰るとこやし、持つん手伝ったろか?」 
ふるふる。 
まぁ強情な子ね! 

俺が財布を左手に渡してしまったが為に、袋Lサイズ3つ分を右手で持って帰ろうとする。 
財布を袋に入れたらどうや、、、という提案は逆効果になるだろうし、もう自分で気づくのを信じるしか無いか。 
達者で帰れよ! 





、、、と思ったら、近くを通りがかったチャリのオッサンが半ば強引に手助けしてしまったw 


あーあ、鳴き声がだんだん遠ざかっていく。

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