短編 「闇の家」その3
- カテゴリ:自作小説
- 2011/08/22 14:21:19
村人にひきずられながら、突き刺す光がなくなって痛みから解放されたので、私は目を開けて、周りを見回した。いろんな景色と色が飛び込んでくる。闇の家とまったくの別世界が広がっていた。
そして、一番見たかった自分の姿。村人にひきずられてる自分に目を向ける。
「?」
理解できなかった。ひきずられてるのは、村人の形をした黒いものだったのだ。確かに私は、この村人にひきずられている。黒いものが自分である感覚もあった。でも。でも私は「村人」でない。
私は混乱しながら
「ちがう!ちがう!私じゃない!」
と叫んだ。そのときザザァと空気が揺れて私の声をかき消した。
頭の中におとうさんの声が飛び込んできた。
「黙って!今、おとうさんが助けるから」
「おとうさん!?」
私は黙ることができずにわめき続け、空気が私の声をかき消した。
私を引きずっている村人が
「何かいないか?何か聞こえるきがするんだが」
「お前、今日疲れているんじゃないか?早く家で休め」
もう一方の村人が、私をひきずっている村人と肩を組んだ。その途端に隣の村人がひきずっていた黒いものが私をやさしく抱きしめた。
「もう大丈夫だ」
私の頭の中でおとうさんが言う。
二人の村人は建物の中に入っていった。同時に私とおとうさんは村人から離れ、今度は建物に捕まった。
「しばらくここで話すしかない。でもゆっくりできるから安心しなさい。日が暮れれば「家」に帰ることができるから」
頭の中のおとうさんの声に私は安心した。
「頭と心で会話できるか?」
おとうさんの声が頭の中できこえた。私はうなずきながら、でも悲しくて仕方なかった。
「私のからだも、おとうさんのからだも見えないの」
おとうさんが、やさしく私を包み込みながら答えた
「そうだ、私たちにはからだがないのだよ」
「からだがない…?」
おとうさんはゆっくりと言った。
「私たちは「影」と呼ばれている」
(つづく)
ぼうぼうさんの優しいココロが見せてくださる詩のようです。
影だったかぁ~
もう完全に意表をつかれました!!
でも影は怖いもの夜は怖い時間でナイのが凄いです!!
本当に独創的で優しいお話しで嬉しくなりました!
本当に素敵なお話しをありがとうございます♪
ところで、私のニコ友さんでるうさんと言う方、ご存知でしょうか。彼女もなかなか楽しい作を書いてくれています。ぼうぼうさんは、ど・いんこを含めて多くを読ませて頂いてます。それから、小中学生の子でも書く子が多い。小説を書かれる方って、少なくないようですね、すごいなぁ。
ずっと、ずっと、続くといいですね≧∀≦♪))
頑張ってください^^ハムも☆ガンバロ☆
(^^;;つづきは、まだ書いてないよ~www
それでそれで!