短編 「闇の家」その1
- カテゴリ:自作小説
- 2011/08/20 19:04:07
ゴト。おかあさんがおとうさんのコップをテーブルに置いた音だ。
コト。これは、私のコップの音。手をのばし、コップを取るとスープ
を飲む。
ゴトン。おとうさんがスープを飲み終わって、コップを置いた音。
カタカタ、ギシギシ、ガチャ。おとうさんが飲み終わったスープを台所に持って行って、洗物に重ねた音。
ギシギシ。おとうさんがドアに向かってる。パタパタ。おかあさんがお父さんを追って歩く音。
「じゃ、行ってくる」
「行ってらっしゃい」
おとうさんとおかあさんと私は、「闇の家」で暮らしている。
ギギィ。おとうさんが出かけるとき開くドアの向こうから目に突き刺さる「光」をわたしは、見つめる。
「闇の家」というのは、家の外の人がこの家のことを呼んでいるのがきこえて知った。「闇」がなんなのか、わたしにはわからなかったので、ある時おとうさんに尋ねた。
「闇って何なの?」
おかあさんが静かに顔を上げ、おとうさんのからだが、大きく私に向いたのが空気の動きでわかった。しばらくしておとうさんが答えた。
「おとうさんが出かけるとき、目を開けていられないだろう?あの目の痛みのないこの場所が「闇」だ。だからここは「闇の家」と村人が勝手に呼ぶのだ」
おとうさんはそれだけ答えると、これ以上何も尋ねるなと私に言った。私は頷いた。その気配は両親に伝わった。
私は闇の家からでたことがなかった。だから、おとうさんが出かける「村人のいる所」に行ってみたかった。
私たち家族は、普通は「気配を消す」ことができる。気配を消すことは厳しくしつけられていた。だから、私が「闇」を尋ねた時の両親の「気配」は尋常でないことに触れたのだ。私の「闇の外」への羨望はますます強くなっていった。
そして、私はある日、「闇の家」を抜け出すことに成功した。
つづく
フラッシュが作動しなくて真っ黒な画面見て出来たお話ですwww
トシさんとこからおじゃましました~
なんだか冒頭からすごくひきこまれました!
続きも読ませてくださいね~^^
それが、広告は見えていたので、「暗黒のくまさん」も
この話のベースの一部になってます(^^;
右横の宣伝に『暗黒のクマ』って出てます。
ぼうぼうさんの先取り感覚に脱帽です!!
できたらいいなと思ってます(^^;
どうなるんだろ・・。
つづきを楽しみにしております
ニコッとタウンのお約束、新しいフラッシュとかとの不具合、私は龍宮城くらいだけど、あちこちで散見されます、多いです。ぼうぼうさんちは全部ダメなんでよう?イチバン重症ですよね。