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『平家物語』に見る陰陽道 12

○方違 (巻第六 二 紅葉の事)p278

又、安元の頃ほひ、御方違(おんかたたがひ)の行幸ありしに、…。

《訳》
  また、安元(一一七五~七六)の時分、方違のお出かけがあったが、…。

《解説》
 安徳天皇の父、高倉院が十五、六の時の御事歴。方違は「かたたがへ」ともいい、陰陽道の方位禁忌である方塞がりの対処法。

 『古語辞典』によると、「陰陽道の説で、外出する際、天一神なかがみ、太白神ひとよめぐり、金神こんじんなどのいる方角を避けること。行く方角がこれに当たると災いを受けると信じ、前夜別の方角の家に泊まり、そこから方角を変えて目的地に行くこと」とある。
 つまり、出掛ける方角が忌むが場合に、前日、別の方角に行って一泊して方角を変えてから目的地に向かうことで、その災いを避けられると信じられた。天一神は北極星の傍にある星神。太白神は大将軍の事で、後述する。金神は五行の一つ、金気の精で、その方位を犯すものは家族や隣人七人が命を奪われるという金神七殺の祟が恐れられた。

 辞書はさらに【学習】として天一神の遊行日と天一天上について解説する。「天一神は己酉(つちのととり)の日から六日間、丑寅(うしとら)(北東)の隅に滞在し、次に卯(う)(東)に五日間というように、丑寅、辰巳(たつみ)(南東)、未申(ひつじさる)(南西)、戊亥(いぬい)(北西)の四隅に各六日間、卯、午(うま)(南)、酉(とり)(西)、子(ね)(北)の四方に各五日間滞在するとされる。それに当たる方角が「方塞がり」になる。そして癸巳(みずのとみ)の日に天上に行き、天上に十六日間滞在するので、この間はどの方角にも自由に行けることになる。」とある。

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2009/05/04 17:10
方違え、って前日から方角変える必要があったんですね。
(単に迂回して進めば大丈夫なのだろうと言う中途半端な知識と認識があったので)
…今思うと、本当に昔の人(特に朝廷関係者)は大変な生活送ってたんですね、方違えと言い物忌みと言い…



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