泣き虫少女と約束は。
- カテゴリ:小説/詩
- 2011/06/11 11:29:58
何も恐くなんてなかった。
だって私には君がいた。
誰にも負けないと思ってた。
君が一緒なら無敵だった。
だからかな。
私は泣いた記憶がないんだ。
たくさんの思い出を置いて、
君が消えてしまうそのときまでは。
君がいなくなった。
そんな理不尽な
現実を受け入れられなくて。
受け入れたくなんかなくて。
私はただただ、泣いていた。
今まで泣かなかった分の利子つきの涙が、
自分の意志に反抗するみたいに溢れ出してきた。
止めようと思っても、止められなんかしなくて。
笑おうと思っても、歪んだ表情しか出来なくて。
「 キミの笑顔が好きだ。 」
そう言ってくれた君を思い出して
また泣いてしまう。
「 だから、いつも笑っていてよね?
╾╾╾╾╾╾╾╾たとえ、僕がいなくても。 」
哀しそうに微笑む君の、
言葉の意味を見抜くことが出来なくて。
ごめんね。
約束、破っちゃった。
私は、こんなにも弱くて脆い。
一人になって、気づいたよ。
もう、笑えないかもしれないね。
もう、笑わないことに決めたから。
君がいないのなら、意味なんかないから。
笑うことなんて、出来ないから。
ごめんね。
約束、これから先は、守れそうにないよ。
もう笑わない。
そんなことでは、君は喜ばないことは知ってるけど。
でも、無理して笑うのは、出来ないよ。