【あらすじ】アパートの空き部屋で、若い男性の刺殺死体が発見された。被害者は１ヶ月くらい前からその空き部屋を勝手に使っていた住所不定の土木作業員で、近所の公園で子供たちの写真を勝手に撮ったりして、周辺住民からは気味悪がられていた。またこのところ近辺で、マスクをかぶった男による婦女暴行事件が多発しており、住民は彼を疑っていた。糸村は被害者の遺留品のうち、１２桁の番号が書かれたレシート、古そうな空のマッチ箱を調べ始める。

【感想】個人的には今回、神回でした。今までの中で一番泣けた話でした。今回は珍しく、犯人が捕まるとともに、糸村が過去の犯罪の真犯人を突き止めるという金星を上げていたのも、いつもと違ってまるで刑事ドラマのようでしたがｗ それよりも糸村によって暴かれた被害者の心情が心を打ちました。被害者・桐原の、智子に対する献身的かつ無償の愛というか、あれは愛なんでしょうか。きっと彼の中では智子は女神のような神々しい存在で、告白するとかそういう意志はなかったんでしょうね。こういう献身的な愛は、ストーキングに発展することがあるのですが、彼の場合彼女を神格化してしまっていたので、彼女が嫌がることはできなかったのかも。それは、イジメで自殺まで追い詰められた彼の、劣等感の裏返しだったのでは。自分は彼女に相応しくない、そういう思いが、彼女を見守るだけという静かな愛に終始させたのでしょう。しかし彼女の危機にあたり、価値のない自分が彼女の役に立てる方法を思いついた時に、１つの幸せを得たのかもしれません。逃亡中、つらいことはたくさんあったでしょうが、彼女の身代わりをしていた彼は幸せだったでしょう。ただ、唯一の彼女との接点といえる写真だけはやめられなかったのでしょうね。彼の写真には被写体の子供たちに対する純粋な愛情が溢れていて、とても切なくなりました。女性にとって、こんな無償の献身的な愛を捧げてくれる男性というのは、憧れの１つです。男女限らず、愛だ恋だの言っても、結局相手に何かを求めてしまうことが多いものですが、桐原の愛は、深く静かで穢れのない完璧な無償の愛でした。やり方は間違ってましたけどね…。智子は彼のせいで一時は写真が撮れなくなるほどの精神的なダメージを受けたのですから。あんな大きな機材を意図的に頭の上に落とすのは、ほとんど無理な話なので、すぐに自首していれば大した罪にはならなかったでしょうしね。１つだけ苦言を呈するなら、現在アスベストの吹き付けは禁止されていることですね。もし彼が何らかの肺病を病んでいたとしたら、アスベスト以外の粉塵による肺病でしょう。今回桐原を演じた笠原秀幸は、何と上川がメジャーになったきっかけのドラマ「大地の子」で、上川の子供時代を演じた子役上がりの俳優さんです。最近では獣医ドリトルで土門の長男を演じたのが記憶に新しいですね。

【あらすじ】ジョー・ルカ・アイム・ハカセの４人が、バスコに捕まってしまい、バスコは４人と引き換えに、自分が手に入れるはずだったレンジャーキー全てと、ゴーカイガレオン、そしてナビィを渡すよう要求してくる。マーベラスは即答できず、アカレッドと初めて会った時のことを思い出し、ある決意を固める。一方捕まった４人は、マーベラスが自分たちのために、大いなる力を手に入れることを諦めてしまうのではないかと心配し、先に逃げてしまおうと考える。

【感想】仕事早いね～ｗ バスコは決して私の好みのタイプではありませんが、キャラとしてはいい感じですね。最後までこの白黒つかないキャラを通してほしいものです。でもいつかはザンギャックを裏切ってほしいなぁ。ゴーカイジャーの味方になってほしいとは言わないから。マーベラスにしろバスコにしろ、セリフが素直でないのがまたいいんですよね。日本人の作るドラマってどうしても危急存亡の時に冗談言ってる場合じゃないみたいな一直線のセリフが多いじゃないですか。普通のドラマならまだそれでもいいこともあるんですが、正義のヒーローものとなると、大人が見てると恥ずかしくなるような一直線のセリフとかもあるんですよね。その点ゴーカイジャーのセリフ回しは、モデルにしているのが海賊物なので、素直じゃないんですよね。プライドの高い荒くれ者とでも言いましょうか、例えばこの感想の冒頭に書いた、レンジャーキーを片付けて持ち逃げしたナビィに対する「仕事早いね～」というバスコのセリフにしろ、本来なら悔しがって当然のところを、相手を誉めることによって、自分の失敗を棚に上げて余裕のあるところを見せてるんですよね。こういう、本心を隠した冗談なんだけど、気持ちはすんごくわかるみたいなセリフ、大好きです。さて、バスコは逃走してしまったので、またお目見えすることがありそうですね。次回はついに新戦士登場ですかぁ。素直にゴーカイジャーの仲間になるんでしょうかね？ いずれにせよ楽しみです。