ぷらぷらと道をあるいていますと、後ろからものすごい破裂音がしました。
爆竹でもならしているのかと思いましたが、すぐ車の音だと解りました。

オイラは外車にはあまり詳しくないのですが、あの三叉の矛のエンブレムは良く知っています。
イタリアの自動車、マセラティです。

現在は、フィアットの傘下になっておりますが、元々はスポーツカーメーカーです。
その昔はＦ１にも参戦してました。
調べたら１９５０年から１９６０年にかけてだそうです。流石に知らないなぁ。

オイラが小学生の頃、スーパーカーブームがおきましてね、オイラも思いっきり乗ったクチです。
ランボルギーニー・カウンタックとかフェラリー・５１２ＢＢだとか。
当時集めたカードは、探せばどっかにあるんじゃないかな？
小さい時から車好き。今でも変わりませんな。

子供は車の違いとか良くわかってませんから、大体、カウンタック派とフェラーリ派に分かれたものです。
それ以外が解らなかったからだと思います。

ランボルギーニー・カウンタックと聞いても子供ですから、ランボルギーニー社製のカウンタックという名前の車である。
という風には覚えてません。『ランボルギーニー・カウンタック』と一つの言葉として覚えているのです。
そんなもんじゃないの？『デ・トマソ・パンテーラ』とか聞いても何がなんだか解らないっつの。

そんな中、マセラティからはミッドシップ２シータクーペの『ボーラ』という車がありました。
マセラティ・ボーラというネーミング（当時はマセラッティ・ボラって覚えてた）が子供心に妙に変に感じてましたね。
ボラってなんだよ～って。

でも、スタイルは好きでした。友達には言いませんでしたけどね。
『オマエ、そんなのが好きなの？』
なんていわれるの嫌じゃないですか。子供のコミュニティも結構微妙です。


話題がそれましたね。
ともかく、そのマセラティのなんていう車かしりませんが、なんだかデカイタイヤを履いてドパパパパという独特の音を出して走り抜けていったのです。

すごい、スロースピードで。

そんなにスゴイ音なのに、なんでそんなに遅いの？
いや、まぁ普通の道だからしょうがないけど、そのスピードでその音は何さ。

ガソリンをぶち撒いて、マフラーがブルブル震えながら甲高い音を吐き出していく高級車。
ん～～～、時代遅れ。
そうです、もう、そんなバブリーな車って本当に見なくなりました。
ガボガボいいながら走る車なんて、族の車でもないんじゃないの？

街のあちこちにでプリウスに代表されるハイブリット・カーを見ることができます。
ここ１０年で車は本当に静かになったんだなぁと思いました。

バブリィで、そこらじゅうに外車があった８０年代。
車がみな大型化（３ナンバー）した９０年代。
そして、この１０年でコンパクトで安全性が上がりそして静音化した車。

マセラティの車が爆音を撒き散らしながら角を曲がっていく様をみながら、本当にあのような車は無くなっていくのだろうなと物悲しさとも虚無感とも違う何かの感情が吹き抜けていきました。


『それってさぁ、貧乏人のヒガミじゃねーの？』
ソ・ソンナコトナイヨー！