貴方は私の名前を呼んでくれた。

　貴方は私の存在を認めてくれた。

　貴方は私の全てを解ってくれた。

　

　誰にも認識されるはずのなかった私に、笑いかけてくれた。


　
　貴方はなんでもないこと、って言うかもしれないけれど、

　私にとってはそれはもう限りなく奇跡なんだよ?

　しあわせだな、って思えるくらいに。


　だけど、

　ごめんね、迷惑かけて。

　解っていたのに。

　解っていたはすだったのに。

　私は幸せになっちゃ駄目なのに。

　幸せになろうとしたら、周りを巻き込んで

　みんな一緒に不幸の谷へ堕ちてしまうのに。

　私は幸せになろうなんて、思っちゃ駄目なのに。

　ごめんね。

　本当に、ごめんなさい。

　私と関わったばかりに。

　私を助けてくれたばかりに。

　私に優しくしてくれたばかりに。

　君は、不幸になってしまった。


　でも大丈夫。

　まだ、間に合うはずだから。

　

　「　ずっといっしょだよ。　」

　そうだね。

　離れ離れになるけれど、

　私の心にはいつも君がいるよ。
　

　「　すきだよ。　」

　なんていわれたのは初めてで。

　大切にされることがむずがゆかった。

　でもとても、うれしかったよ。


　「　きみはぼくがまもる。　」

　ううん。

　私が君を守ってあげる。

　だから、　さ　よ　な　ら　だよ。

　

　ごめんね。

　最後まで君を不幸せにしてしまって、

　本当にごめんなさい。

　私は君との思い出があるから、

　これからも頑張って耐えていくよ。

　耐え抜いてみせるよ。

　
　ありがとう、

　って、最後までいえなくてごめんね。

　
　君はこれから、

　しあわせになってね。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ばいばい。