物を作るって、目の前に材料があって制作工程があって
とても人間らしい営みだと思うんですが・・・

どうやっても手先では作れない・・・
人間と言うものはどうして、こんなにも千差万別で複雑で悩ましいのに
目の前に見えない母胎の中で育まれ作り出されることが出来るんでしょうね。
これ以上の不思議は無いのかもしれません。

次男を産む時は、妊娠当初からトラブル続きで苦労しました。
もっとも、本当につらかったのは長男の方のはずなんですが
この話は、また明日＾＾

安定期に入る前の時期、２度ほど出血がひどくて流産の危機があったのですが
２度目の時は
「もう、生体反応がありませんね。処置しましょう。」
と言われてしまいました。
流石に納得しかねて
「一日だけ待ってください。明日出直しますので、再度検査をやり直してからにしたいです。」
とお願いしました。
「そうですか・・・早い方が母体への悪影響が少なくて安全なんですけどね。」
「いえ、とにかく明日出直しますので。再検査をお願いします。」

帰ってからは、ひたすら安静を保って眠れぬ夜をすごしました。
聞こえた気がしたんです。
「僕、生きてるよ。」って
・・・・僕って・・・２人目は女の子希望なんだけど＾＾；
とにかく、ずっと
「大丈夫、ちゃんと生まれていらっしゃい。」
と心で呼びかけ続けながらの不安な一夜。

翌日産科に出向くと、主治医が
「エコーの画面に何も映らなければ納得しますか？」
と、見せてくれました。
「ほらね、ここが子宮で本来ならこのあたりに・・・・・あ！
・・・・動いてますね。心臓・・・」
しっかりと点滅するように小さな心臓が動いているのが確認できました＾＾

安定期もなるべく安静にという指示のもと、ダンナを放ったらかして
長男と実家で過ごすはめになりました。
このことが、後々良からぬわだかまりを残すのは言うまでもありませんが、
何より、せっかく授かった命をこの世に送り出したい一心でした。

段々と月満ちてくると、今度は新たな問題が発生しました。
前置胎盤。本来なら子宮の奥にあるべき胎盤が子宮口近くにある状態です。
完全に子宮口に被さるほどひどくはありませんが、隣接していました。
「この位置だと帝王切開になりますね。」
ちょっとガッカリしましたが、致し方なし・・・

さらに１度切迫流産による入院をした挙句、ようやく臨月の検診を迎えました。
「あれ？胎盤が動いてますね。こんな例は初めてだな。どうしたんだろう？少しだけですが、位置が上がってます。ギリギリ自然分娩も出来そうですね。リスクは高めになりますが、どうしますか？」
出産直後から子宮収縮が始まり、胎盤剥離で切れた血管を塞いでしまうのですが
収縮率は、奥と入り口では雲泥の差です。
大出血のリスクを、どう考えるべきか・・・この時、また聞こえた気がしたんです。
「僕、頑張るから！」
・・・・いやいや、出血するのは母体の方なんだけど(-_-;)
でも、頑張るって言ってるなら一緒に頑張ろう！自然分娩を選びました。

当日は、２人めということもあり安産で生まれてくれたんですが・・・
「元気な男の子ですよ＾＾」
の声を聞いて安心した直後に気を失ってしまいました。
予想通りの大出血。対応は用意されていたので、なんとか無事に生還しました＾＾

長男の心の奥に、消せない不安の刻印を残してしまったことは悔やまれますが
とにかく、１度処置の宣告を受けた命が無事に生まれてこれたこと
仲の良い兄弟の様子を見ると、心から良かったと思います。