あれからもなかなかS&Wさんとはタイミングが合わず、お部屋に行ってもいない。
どうにかして、秘密裏にお話があることを伝えられないものか…先ずはこれを知りたい。
と悩んでいた時にS&Wさんが僕の部屋に遊びに来てくれたのだ。
『初めてお邪魔します、マテバさん＾＾』
『いらっしゃい＾＾』

Cコインが集まり、少しずつ部屋の家具を買い、なんとかガランとした部屋が見栄えするようなっていた。
まだまだ改良の余地があるのだが、コインが集まりしだい新しいアイテムを揃えよう。っとそこら辺をS&Wさんはくすぐる。
『おお、ステキな部屋になってますね＾＾』
こうお褒めの言葉を貰うとその気になっちゃうのが僕でして、謙遜しながらも優越感。

『そうですか？まだまだ、これからですよ＾＾』

で、せっかく僕の部屋に来てくれたんで、秘密に話ができることを聞かなきゃ。
『あの～、ちょっと聞きたい事がありまして』
『なんでしょう？聞きたいこととは』
『ニコッとタウンで、秘密に会話できると言うか、秘密のメールとか、そんな裏技ってありませんか？』
『裏技？』
少し間が空いた…なんか変なこと聞いちゃったかな？少し補足説明をしよう。
『伝言板やブログにコメントだと、誰でも閲覧できるじゃないですか。そうじゃなくて、S&Wさんと秘密の会話もしたいんですよ』
これで分かっていただいたかな？
『なるほど、秘密の会話ですか』
『そうです』
『確かにニコッとタウンにはメール機能はありませんしね…裏技ではありませんが、プレゼント機能を使うと言うのはどうでしょう？』
『プレゼント機能？』
『ええ、タウンでは友達にアイテムをプレゼントできるんですけど、その時にプレゼントに添えられるメッセージがあるんですよ』
『おお！』
やっぱりベテランさんです。こんな事ができるなんてってプレゼント機能は初耳だな、後で調べておこう。
『それを使えばプレゼントした人以外の人には、知られることは無いですよ』
『すごい、それだ！』
『なんか役に立ったみたいですね＾＾』
『役に立ちましたよ、ずっとS&Wさんに秘密の会話があることを伝えたかったんです』
『そうだったんですか』
『これで、聞きたい事が聞けますよ』
『良かったです役に立てて、では俺と友達になっておきましょう』
ここで断られたら最悪だった。でも、なんかドキドキしますよね、友達申請って。僕は初めてだったし、普通に毎日訪問しいているとそれはそれで友達じゃないかとも思うしね。
改めてお友達だよって言う証はなんか照れくさくてくすぐったい感じがする。それでいて、なんか心強いと言うかパイプが太くなったような気がするんだよね。
人見知りの僕から申請なんて、なかなかできないけど。
『いいんですか？』
『もちろんです』
そして、S&Wさんは帰っていった。

よし、これでやっとニコッとタウンでのお付き合いがあるのか聞く事ができるぞ……………………うん？
っていうか、さっきS&Wさんが来ていたときに聞けばよかったんじゃないのか？
二度手間だよ、バカだ～＞＜ってS&Wさんも思ったのかすぐに戻ってきてくれた＾＾

で、ニコカノ、ニコカレの存在があることを知る。そうか、あるんだね。僕は一つ深呼吸をした、気構えたんじゃない少し怖くなったんだ。
さっきまで知りたかった事柄が、なんで突然こんなにも怖くなったんだ？
それは…現実でも彼女がいないのに、ニコッとタウンで彼女ができるなんてこと思わなかったからだ。ずっと動いていたマウスを持つ右手が、徐々に動かなくなる。
そして、ログアウトのボタンを押していた。
自分自身に解らせるように心の中でつぶやいた、怖いからじゃない今日のニコッとタウンタイムが終わっただけだと、だからログアウトボタンを押したんだと…