✪たばこ (前)
- カテゴリ:30代以上
- 2011/04/23 17:40:43
レディス用のトイレのドアを押すと、
女が一人鏡に向かって口紅を引いていた。
色はスカーレット。
グレー地の黒のパターンのドレスは無彩色なので、
赤が目に焼き付くほど鮮やかだった。
女の傍を通り抜ける時、彼女から微かに冷たタバコの匂いがした。
私は反射的に眉を寄せた、
そしてすぐに自分がどうして眉を寄せたのだろうかと考えた。
けれども使用中のトイレのひとつから水洗の流れる音がして、
もう一人の女が出てきたので思考が中断された。
「あらいいじゃないその口紅の色、服によく似合う」
二人はどうやら友達らしい。
「どうしたのょ、すごくめかしこんで。さてはデイト ? 」
トイレから出てきた女が手を洗いながら話しかけた。
私はあいてる奥の方のトイレに入った。
「デイトは済んだのょ」
スカーレットの口紅の女が答えるのが、トイレのドア越しに聞こえてくる。
「あら早々と、一体どういうデイトなの ? 」
「昼休みの情事」と言ってフフフっと含み笑いが続いた。
「ウッソー、信じられない」
「ウソじゃないわょ、何のために昼休みがあると思っているの」
「ランチを食べるためじゃないの ? 」
「もっと美味しい物を食べるためょ」
「もっと美味しい物って? 」
「そんな事口に出して言えないわょ、アレょ、アレ」
「アレって、アレのアレの事 ? 」
「もちろんそう」
「嫌だぁ、お日さまの出ているうちからアレやるの ? 」
「別に私たちが例外ってわけじゃないのょ、
昼休みのラブホテルはサラリーマンとオフィスガールで満員なんだから」
「というと相手はサラリーマン ? 」
「内のデザイン事務所のアートディレクター」。
水洗を流して私がトイレから出てきても、
二人の若い女はまるで気にしないで話を続けている。
「独身なの、そのアートディレクター? 」
「当年とって36の妻子持ち」
「じゃ不倫の関係だ、うらやましいなぁ、あたしも一度不倫ってやってみたい」。
私はゆっくりと石鹸で手を洗い、温水を流して泡を落とした。
鏡の中の自分の顔を見つめ、化粧道具をバックから取り出した。
夫の〇男とロビーで7時30分に待ち合わせしているのだ。
今日は私たち二人の結婚記念日で、外で外食することになっていた。
夫の勤めているデザイン事務所は六本木にあるので、
近くのホテルオークラでということになったのだ。
「ねぇねぇ、どんな人 ? 」
「そんな事一口じゃ言えないわょ、でもアノコトは非常にお上手」
「どう上手なの ? 」
「口で説明できると思う ? 」
と若い女は鏡の前で髪の感じを直しながら言った。
それから何か思い出したのか、クスクスと笑った。
「何ょ、思い出し笑いなんかして」ともう一人の女が背中を押した。
「それがね、彼ったらおかしいのょ。
彼の奥さんて人が、絶対に電気をつけたままでやられてくれないんだって。
でね、ある時彼が奥さんにこう頼んだんだって。
ねぇ〇子頼むよ、誰にも言わないからさ電気つけてやらせてくれょ。
私その話聞いて笑いが止まらなかったわ」
「その奥さん〇子って言うの ? 」
「そうなんじゃないの、彼がつい口を滑らせたから。
別にいいじゃん〇子で△子でも、私には関係ないから」
女たちが身づくろいを終えて出口に向かい始めた。
〇子は口紅を塗り終わり、上下の唇を強くこすり合わせて紅をなじませた。
顔は無表情だった。
「その彼とはいつもどこで会うの ? 」と若い女の声がまだ聞こえる。
「渋谷。オフィスが六本木だから、あんまり遠くには行けないし、
六本木周辺というのも人眼があるしね」ドアが開く音。
「その彼の唯一の欠点がヘビースモーカーだってこと」
ドアの外に消えながら女は言った。
「タクシーの中といわずホテルのラウンジといわずやたらに吸うのよ、
しかも、愛用のタバコがホラ、フランスのジタン。
服に染み付いちゃって困っちゃう」
「すごく匂うやつね」ドアが閉まり女たちの声がぷっりと途切れた。
ホテルオークラのロビーは、時間のせいか人が混雑していた。
〇子は眼で夫の姿を探した。
〇男の姿を探しながらロビーの中をゆっくり歩いた、
ふっと、嗅ぎなれたタバコの匂い。
〇男の背中が眼に入った。
「やぁ、時間ぴったりだな」と灰皿の中でぐいっと吸い殻をひねりながら〇男は言った。
そして、少し眩しそうに妻を見上げた。
「こうしてたまに外で会うのもいいね、今夜の君は綺麗だょ」
〇男は妻の表情が硬いので怪訝そうな顔をした。
「どうした、気分でも悪いのか ? 」
「今日の昼休み、どこに行ったの ? 」
えっ? というふうに〇男は妻を見つめた。
「どこに行ってたって、昼飯食ってたょ」
「どこで ? 」
「だから、近所のレストランで」
「日本食 ?、和食 ?、中華 ?」
「・・・・・そば」一秒ぐらい間をおいて〇男が答えた。
いっぱい色々 食べたかな?
トイレットペーパーにティッシュもないわー買い物だ!
今から買い物でし。
休養日なってよかったね^^
ごはん食べて来たの?
倒れる前に 休むのも大事だよ^^
もう一杯欲しくなる。 あ〜私の場合はねw
って、もう大丈夫なの?
『今夜、僕を家に送ってくれよ』
今夜は何にするのかな? もう解禁したの?
いってらっしゃいましぃ〜〜♪
寝過ぎて骨が当たって痛いざんす ^^;;;
検索しなくちゃWW
ぶーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・・・・は少しは良くなったんかいな??><
だーーーーーーーーーーーーーーーー!!!
邪魔かいな ><
やわやわとお口の中で大根と泳いでいるわよぉ〜〜〜ん げほっ。
うま・・・ウマ・・・・ウマ・・・・
トラウマ??・・・・・・・・・・・・・・・・・・・えーん ><
うららうらら ウダウダで〜〜 風邪移したでしょ〜!
ゲホゲホ ゴホゴホざんす><
古いのから結構 読み直してますw
1ヶ月は・・・読みなおして遊べるね ^^^
このお話面白かった 久し振りにまた読んじゃったよ!
へぃ!! お待ち。
お蕎麦も、ザルとか言わないで、天ぷらそば、なんて答えたりして。
たぬきうどん、好きです。
私なら用がなくても何度も通ってしまうところでし。
アノ円山町でしたw
ウブだった私は回りをキョロキョロw
そうなんですょ・・って女子トイレにいたらオカマでしょ。
めでたし・・めでたしなのかな~。
とほほほ・・・私の実体験は寂しいものでし。
..ってなくらいに近いシチュエーションがあったよ。遠い昔の10代。
すっごく珍しい名字の彼。適当に、お互い遊び人だとはわかってたのでいんだけど。
渋谷のどこかのお化粧室で、居合わせた女子大生的なグループがぺちゃくちゃと、
こんなようなおしゃべり(ここまで露骨ではないけどね)。一人のおとなしそうな
女の子の名を呼び、珍しい名字の彼のことを聞きまくってる。
その後彼とあった時「き○○さんて人にあった」「どこのき○○?」なんてとぼけてたさ。
○子さんの立場と全然違うので、ま、いいやで済んだけどね。
なんで、女は公共の場のお化粧室なんかでそんな話題をするんだろう?と思った。
もしかして、ブラボーさんそこにいた??
単身赴任で遊びまくってきたら
奥さんにみつかったそうな。
奥さんが赴任先に乗り込んできて、
男はほどなく赴任先から地元へ
戻ってきたそうな・・・めでたしめでたし。
ブラさんの実体験とか入ってるの?
後半楽しみにしてますw
あははは・・・なんかだんだんリアルになって来たでしょ。
怖いな今回は。
最後は・・女は強でし。
甘く危険な香りなんでしね~~~。
おー!! われらの紅蓮しゃんなら大丈Vでしね。
怖いけど早く最後まで読みたーいw
もっと用意周到にしなきゃダメですよ~(ΦωΦ)フフフ…
何だかんだで、神田の生まれょ。
昼ドラみたいだねえ。女はこわいからなぁ~。
セルティ・・・あのアニメのかな・・。
ふふふ・・・実はオカマだったりして。
一話完結にしたかったんですけど・・・長くなりすぎた。
0時後編公開でし。
一気に読んでしまいました。
続きがものすごく気になります!!
このあとこの夫婦はどうなってしまったのでしょう~続きが気になっちゃったw
壁に耳あり障子に目あり・・・ね^^;;