知的整合性-東アジアと共産主義-②
- カテゴリ：勉強
- 2011/04/11 09:43:00
⑨東アジアでは、朝鮮半島すなわち、北朝鮮＝朝鮮民主主義人民共和国と、
南朝鮮＝大韓民国に関しては、未だ共産主義が終っていないと考えています。
代理戦争をしているつもりなのに、主人たちは手を引いているという
形式になっています。アメリカが平和の配当として朝鮮半島の統制権を
韓国に移行する、米軍基地が無くなるかもしれないという事（及びそこから
派生する影響）を大韓民国の政府及び民間は考えていません。
北朝鮮も核武装によって国体が保持されると考えている点、火急の際には
中国による庇護があると考えている点で、考え違いをしています。
朝鮮戦争時、中国は貧しく失うものが少なかったので、政策の間違いが
引き起こす悪影響も少なかったのですが、現在ではそうではないのです。
⑩中国はいち早く現実に目を向けたという点で、他国を抜きでています。
とはいえ、余りにも遅い覚醒でありました。経済発展・社会改革より
その前の、共産主義が機能しないとして（当然でありますが）
採用した施策が、文化大革命という形で1970年まで続いておりました。
その負の遺産が大きく、社会の変革が現在にいたっても遅れています。
⑪ロシアは共産主義の祖というべき国でありますが、ペレストロイカ後
社会福祉の低下により、男性の平均寿命が7年下がりました。
これは戦争・疫病・飢餓のない国ではありえない数字で、いかにロシアが
困難に直面していたかを示す代表的な指標といえるでしょう。
⑫現在起きている社会現象について知的整合性をつくることは、
世界の思想界で暗中模索というところで、これぞという対案が出ていない
のが現実です。しかし、この試みを続けないことには、経済も、社会も
その施策に正当性を与えられません。次の世代へ引継ぐ価値、知的整合性を
どうやって形成していくか、それが今の課題です。
そして、思想が世界を作るというその事を、世界に生きる人達が
知っておくべき事と、自分は思います。
⑬次世代の知的整合性は封建制度の差別、共産主義の失敗、資本主義の傲慢、
これらを乗り越えます。
社会思想家が無視していた要素をつけ加えると、次の社会思想、
次の知的整合性が生まれます。思想家は夢想家であってはならず、自分の
専攻する思想を修めて後、整合にむけ様々な思想を知るべきと考えます。
マックス・ウェーバーの「プロ倫」（『プロテスタンティズムの精神と
資本主義の精神』）迄戻って、その先を見れば答えが見えます。
※1今回は、何故共産主義国家が成功しなかったか、について論ずる
機会ではないですが、ハイエクの隷従者への道（東京創元社）を
一読すると、その原因について知ることが出来ます。
※2 1990年の衆議院議員総選挙では、ベルリンの壁の崩壊があった
にもかかわらず、女性党首の率いる社会党が大躍進しています。
※3 1990年の湾岸危機に対する対応や、1995年の村山内閣時の
阪神淡路大震災に対する対応は国内の社会主義政党にとって、
社会民主勢力が政策実行力が無い事を如実に示す事になりました。
