天使のつくった銀行
- カテゴリ:小説/詩
- 2009/04/13 22:14:45
映画『ザ・バンク』で、BCCI(国際信用商業銀行)がモデルのような国際銀行IBBCが出てきたので、
なんとなくニュースで見たよりBCCIのことをもう少し詳しく知りたくなりました。
何か本はないかなとアマゾンで探してみると、
「犯罪銀行BCCI―史上最大の金融スキャンダルを追え! 」
「犯罪銀行BCCIの興亡―金融エスタブリッシュメントに挑戦したイスラム銀行」
あるにはあったけれど、マーケットプレイスの中古本だけでやや高価、
ちょっと興味があるだけでは手を出す金額ではないよねー、とウロウロしてたどりついた本がコレです。
「マネーロンダリング入門-国際金融詐欺からテロ資金まで」橘玲/幻冬舎
最近のいろいろな国際金融事件のレポートといった感じの読みやすいノンフィクションで、
”事実は小説より奇なり”そのままの内容でした。
BCCI、バチカン銀行、ブラッド・ダイヤモンド、事実説明だけなのにどの事件もドラマチックです。
ライブドアやカシオ詐欺事件等のニュースで耳にした日本の事件も、図説付きでわかりやすく、
なるほどそうだったのかと、金融や経済の知識がなくても、面白くない小説よりも面白く読めました。
アマゾンのレビュー評判はよかったのですが、高評価のレビューにも頷けます。
レビューではリアルだと書かれていましたが、テロ資金や武器売買といったショッキングな内容は、
事実説明だけなためか、私には、かえって映画や小説よりも現実が遠く感じました。
BCCI(国際商業信用銀行)は、第4章に出てきます。
慈善家で人間の姿をした天使とまで呼ばれた敬虔なイスラム教徒アベティがつくった、
貧困の救済を夢見た貧し国々に融資を行う第三世界のための国際銀行は、
武器・麻薬商社の犯罪銀行と化し1991年に破綻しています。
それでも、アベティは、欧米の金融支配と戦った英雄なのだそうです。
まるで、映画のストーリーのようです。ものすごく重たい映画になりそうだけど。
そういえば「ブラッド・ダイヤモンド」は題材にした映画が作られていますね。観ていません。
映画『ザ・バンク』のストーリーとBCCIは、関係ありません。
スパイものや犯罪ものに必ず出てくる”スイスの銀行”の成り立ちや仕組みもわかって、
BCCIへの興味だけで読んだ本でしたが、面白いだけでなくとても有意義でした。
娯楽小説や娯楽映画をより楽しむために…。
>みやびサマ どの事件を題材にしても映画やTVドラマを作れちゃいそうです。
その本、ちょっと読みたくなりました。
現実のドラマって、下手な映画よりおもしろいですよね^^
すごいな~ (’。’) ながつきさんのその探究心に感心します!!!
パイレーツ・オブ・カリビアンを見て海賊の歴史を買ったけどまだよんでませ~ん^^;