政府は判断力がないか
- カテゴリ:日記
- 2011/04/09 23:58:55
福島原発について、多くの人は、最初の二週間に多くの恐怖を感じたかもしれない。
でも僕は、むしろ、四月に入ってからの方が、恐怖感がある。
福島原発に外部電源を供給するようになれば、あるていど事態が把握できると考えていた。
それなのに、進展が遅い。
報道も、伝えるべき情報が無いのか、思考力が無いのか、同じことの繰り返しになっている。
収束の兆しが見えないことが、恐ろしい。
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水素爆発が起きた時点で、燃料棒に破損があることは明らかで、その「程度」がいつになったら把握できるか、燃料棒の温度はどのくらいか、それが、外部電源投入でわかるかもしれないと、僕は考えていた。
しかし、ニュースでは、「燃料棒が破損した可能性がある」と、すでにわかっていることを繰り返した。
水蒸気が建屋を爆破したのは、「燃料棒が加熱された結果」であり、しかも、それが漏洩する経路が存在することも、確かである。これは、爆発した時に、すでに『結果』なのである。
「可能性」などという言葉はすでに遥か過去のもので、損害の「規模」を調べなければならないのに、ニュースで「可能性」を繰り返す。
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放射線量が大きくて、調査が進まない。
それならそれで、しっかり発表してほしいのである。
どんな場所で放射線が強かったか。
その情報も、事故を解決するための重要な判断材料だ。
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そして、最も怖いのが、政府の対応である。
四基の原子炉は、すでに廃炉が決定的だ。
事務処理などの段取りとしては、まだ「正式決定」ではないかもしれないが、現実はすでに廃炉以外の選択肢をもたない。
そして、炉を解体、廃棄するのに、十年はかかると予想されている。
そのなかで、行政としての対応を決めなければならない。
まさか、何の計画もなく避難と、退避を何年も続けるつもりではあるまい。
本来、避難指示を解除するには、燃料棒の冷却システムが確立されることと、周辺地域の放射線量が低下することが条件のはずだ。
原発での作業がなかなか進まない状況で、しかも、応急処置でなく、きちんとした冷却システムを作るとなると、一年以上かかるはずだ。
(当然、正しい冷却システムとは放射性物質が漏れないものですね)
今から放射線量が下がるのを待つのですら、一ヶ月は必要だろう。
要するに、避難指示を解除する時期は、まったくめどが立たないのである。
ならば、周辺地域の対応は、今すぐ決めるべきだ。
原発の様子を見て決めるなんてことでは、いつまでたっても決められないことは、判明しているのである。
これは、市や県のレベルでは対処できないのも、明白だ。
政府が対応する以外にないのである。
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未だに政府の対応が進展しないことが、最も恐ろしい事態である。