花見＝酒盛りと誤認識をしています。
ですので、お酒を飲まない身としては花見に対して思い出等はありません。

新入社員の手始めの仕事として花見の場所取りをする。というような会社に席を置いていないという事もあるのかもしれません。
というか、今時そんな会社あるのか？
無いとは言いきれないので、その件については横に置いておきましょう。

さて、花見のいうところの『花』といえば桜の事を指します。
一斉に咲いて、二週間ぐらいで散っていく。
その圧倒的な存在感と散り際の妙が日本人の心に響くのでしょう。

しかし、平安時代の前の奈良時代では『花』といえば梅だったそうです。
当時、中国から伝来したばかりの梅がもてはやされたんですね。


ウチの近所にそれは見事な梅の花の見所があります。
いえ、梅園というわけではないのです。
とある、住宅街の一角なのですが梅の花の時期だけ賑わいます。

各家々の樹木は示し合わせたように、みなさん梅を植えているのです。
種類や色がまちまちの梅が鮮やかに咲いている様はそれはもう見事なものです。
ですので、ご近所の方々も散歩がてらに梅の観賞をしにやってきます。

オイラ達も自転車で家族総出で、毎年見に出かけます。（歩くにはちっと遠いのです）
クリスマスの電飾を見に出かけるようなものですね。

そんな梅の見所のすぐ横にお蕎麦屋さんがあります。
こじんまりした、隠れ家のような佇まいで雰囲気があるお店です。
あまり店が大きくないのでしょう。梅の時期に行ってお昼をそこで食べようとすると、大抵いっぱいで入れないのです。

あら、今回も入れなかったねぇ･･･と、毎年思っていました。
だからと言って、違う時期にわざわざ行こうという気にもなれない。
梅の時期に出かけた時に丁度入れたらいいね。
そんな感じで毎年過ごしていました。

ある年、両親が先に梅を見に行きまして、例のお蕎麦屋さんに運よく入れたので行ってみたのです。
感想などをママンに聞いてみました。

『念願、とまでは言わないけど、どうだったの？』
『うーん、そうねぇ･･･ 』

『なに？マズかったの？』
『マズい･･･というわけではなかったわね』

『じゃぁ、美味しかったんだね？』
『美味しい･･･というわけでもないわね』

『なんじゃい。どっちなのさ』
『まぁ･･･普通？ん～アンタも行ってみれば解るわ』

そんな微妙なコメント聞いたら行く気がなくなるわ！
詳しく聞いてみると、味とコストを考慮した結果このような微妙なコメントになるらしいという事が解りました。

という訳で、その後も梅の鑑賞をしに行っていますが
『どうする？お蕎麦屋さんに入ってみる？』
『いや～、だったら家に帰ってイナリ寿司でも食べようよ』

なんて事になり、結局オイラはその蕎麦屋に入ってません。
多分、今後も入らないんだろうな～。
無理して入りたいとも思わないしね。

ただ、ちっとだけ気になっているのは事実ではあります。
でも、行かないのでしょうね。