何のことだかわからないだろうけど、まものある種の　必　殺　技　。
またの名をながらという。

つまり。
資料を書きながらパソコンのセットアップを行い、実験機を操作しながら飯を食う。
しゃべってる言葉と書いてる言葉が違うこともある。

なんという効率であろう。
2人分の仕事を一度にやれる感覚。

社長とかいうお邪魔虫がおらんと、こんなにスムーズに業務が進むとは。
何度味わっても、この感覚はいいざます。

そつなく業務を終了し、
（システム管理工数計算表、システム障害対応手順書、
　実験環境の検証完了、実機への作業開始準備完了）
てくてくと会社を後にし。

TEL。
”あー、俺だー、靴ー”
”実家にあるから取りにいってくれ、わりぃ”
”何を言うか、まあ適当に行くよ”

スーパーで今日の晩飯を買い込み
（チューハイ×２、刺身２冊、たこやきそば、アイス３つ、お菓子5種類、
　実に一人暮らしの男らしいメニューだ）
もうひとつの用件を帰りしなに済ます。

”あー、本だけどさー、これから届けるわー”
”おｋ”
”晩飯食った？”
”まだ”
”じゃ、本渡すときにでも考えといて”

アイスを最優先に冷凍庫に放り込み、
いざ出発！！！！

40分後、週刊朝日をとりに戻ってきた。
気を取り直して出発！！！！

んー、なかなかに久々に合うんだが、変わらんのー。


というわけで、彼の所望により、洋食屋へ。
俺のちっくの頃からの常連で・・・
このビルのオーナーは俺のオヤジだったりする。

”で、何、仕事すんの？”
とはマスターの談。
やらいでか・・・。
”まあ、今面接中、受かれば結構おいしいかもね”
”ふぅーん”
”ちゃんと副業もやってるから問題なしｗｗ”

オーダー
彼：デミマヨハンバーグ大盛り
俺：300ｇデミ玉ハンバーグ大盛り

彼はこれからNZへ旅たつので、
その理由を聞き出そうと思った。
やっぱりパフォーマーの芸を磨きたい一心らしい。

・・・。
”行ってこい、帰ってくる場所は俺様が用意しておく”

俺が条件がよさそうな仕事に就けそうなのも、
副業の芽が次々に生まれているのも、
何かそういう兆候だってことなんだよ。

俺はダメクリスチャンだから、
もっとがんばろうとするクリスチャンを応援するくらいしかできんので、
銭を稼ぐほうに着手しはじめた、というわけだな。

巨万の富を追い求めるのは男のロマンだろ。
カネがキライな人間はいない。
カネには権力と発言権が加わる。
政治的圧力を振り回すのもある意味では面白いだろう。

だけど・・・俺は・・・
必要最低限しかカネは必要ない。
パソコンも楽器も家具も高級品を必要としなくなった。
そんな現在、カネを追い求めても・・・幸せにはなれない。

俺はきっと、余らせた金は全部教会や活動員にくれちまうだろう。
彼らのほうが役立たせ方を知ってるはずだ。

っつーわけで。
明日の面接は背負ってる未来がかかってる、ともいえる。
（失敗したら飲食店でアルバイトだな・・・）

男は胸に短刀を携え、筆を収め、出陣することになった。