ウォッチメン
- カテゴリ:映画
- 2009/04/11 23:56:01
今年15作めの映画館鑑賞。
ものすごく面白くて、ものすごく楽しめました♪ 満腹気分です。
大人向けです。暗喩だらけで、風刺画のような映画でした。
親切な作りになっていたので、原作のアメコミをまったく知らなくても問題はありませんでしたが、
自分の一般教養の低さは若干問題でした。でも、アメリカ人じゃないから、許してもらおう~。
有名な報道写真が何枚も再現されるのに、見た記憶はあるのにそれ以上わからなくて、もどかしかったです。
現代史を重ねて追えるともっと楽しめそうですが、でも、漠然とぐらいでも、十分に楽しめました。
もちろん、映画の中にあるのはそののままの歴史ではなく、ヒーローの存在によって変容した歴史です。
「現実世界にヒーローがいたらどうなるか。」
壮大なスケールで荒唐無稽なジョークがシリアスに繰り広げられています。
ということを受け入れられなかったり、元の現実がわからないと、この映画は面白くないかもしれません。
それから、当然ですが、あくまでも”アメリカの”ヒーローです。そこに躓いても面白くなくります。
冒頭、ボブ・ディランの「The Times They Are a-Changin」(時代は変わる)をBGMに、
ヒーロー達の存在によって変容している歴史とヒーロー達の盛衰が足早に語られます。
たぶん、全曲が流れました。とてもハマっていましたが、なんて、直球な選曲(笑)
現実に少し変更が加えられた映像を順に観ていくうちに、”ウォッチメン”の世界に入りこんでいきます。
多少強かったとしても、しょせんコスプレ自警団でしかないヒーロー達を現実に放り込んでみたところで、
歴史はそれほど変わらないでしょう。でも、神のような力を持ったヒーローなら?
現実のマンハッタン計画(第二次大戦中のアメリカの原爆開発・製造計画)と同じ名前をもつヒーロー、
ドクター・マンハッタンがその神のようなスーパーパワーで、この世界の核の均衡を保っていました。
”ウォッチメン”のタイトルは、古代ローマの詩人ユウェナリスの一節から。
「Who will watch the watchmen?」 誰が見張りを見張るのか?
この堂々巡りの問いに答えはありません。
誰がヒーローを守るのか?人は神になれるのか?正義の神は死神なのか?誰が神を救うのか?
現実にヒーロー達がいたらどうやって人類を救うのか?その解答は受け入れがたい残酷なものでした。
とうてい考えられないような犠牲の上に人類は核の脅威から救われ、
真実が秘された世界には、ニュースのない退屈な平和が訪れます。
でも、鑑賞後感は、暗くありません。フォローもされていたしね。
あの時代に世界は終わっていたかもしれない。でも、こうして世界は続いているし、
今も世界には絶望があふれているけれど、世界のどこかには必ず愛と希望があって、だぶん奇跡もある。
そんな風に思えます。けっこう感動していたりして。
物語は、顔のないヒーロー、ロールシャッハの語りで始まり、ロールシャッハの手帳で終わります。
彼の決して妥協しない拒絶の叫びは、一生忘れられないでしょう。
物語の狂言回しでもあるロールシャッハ・テストのような模様が流動するマスクを被った彼の存在は、
この映画自体を「何に見えますか」と問うているようでした。
観る人によってまるで違う映画になりそうです。
ただのインクのシミにしか見えない人も多いかもしれません。
ところで、誇張された顔が可笑しかったニクソン大統領ですが、20年も在任してしまったのには大ウケでした。
ニクソン大統領の退屈で平和な世界のアメリカ。オモシロすぎです。
アメリカの大統領は2期8年まで。故ニクソン元大統領は、ブッシュ前大統領が不支持率の記録を抜くまで、
第二次世界大戦後の最も不人気なアメリカ大統領で、任期中に辞任した唯一のアメリカ大統領です。
ニクソン続きで、次の映画は『フロスト×ニクソン』を観たいところですが、
私の住んでいる地域では上映されていません。残念です。
★★★★★【Watchmen】2009アメリカ
(注:★は個人的な鑑賞後感メモで、映画の評価ではありません。)
未だ拝見しておりませんが。。。
多分DVDにならないと無理かな。。。(汗)
アメコミは原作を探すのが大変なので、
有名な作品以外の映画は拝見しないのですが。。。
映画は当分見に行かれませんので、
原作に興味を持ってしまいましたね~(*^^)v
>伊勢うどんサマ どういうとらえ方をしても、製作側の意図にハマってしまう気がしますね。
ダークナイトは衝撃的でしたが、アメコミで続けてこういう作品が作れてしまうなんて、すごいと思います。
等身大ヒーローが現実に存在したらどうなるのか!ということを問いかけている作品だと思いました。
ドクターマンハッタンを除けば、等身大ヒーローも普通の人と変わらないようだし 見方によっては過剰暴力とも
とれて いやな一面を見たような気がします。もちろんそこが製作者側の狙い所とは思いますが
それとこの映画が面白いか、どうかの切れ目はロールシャッハにどれだけ感情移入できるかにあると思います
しかし 「ダークナイト」も含めて よくこんな作品を作れるなと思います。あとこの映画の予告編は
本編をみると実によくできている作品だと思いました。
参考までに映画の予告編は予告編を作る会社があってそこが提供された素材を元に作成しています。
5つ星だ!!! でも、私が見て楽しめるかどーかはわかんないな~。
世界史苦手だしな~^^;
ものしりのながつきさんが一般教養の低さを嘆かれるんだったら私はもっと低いと思うからな~
DVDで楽しむことにしよっと…^^
長々と書いてしまってますが、「地獄の黙示録」とか映画の引用のことも書いてないし、
いちおう自重したつもりで、これです(笑)
>すかさはサマ 原作、とても読みたいです。買おうかな。買っちゃおうかなー。
あ、〈ワイルド・カード〉シリーズ、好きです。
原作読んでみたいけど、アメコミ扱ってた手近な本屋さん、閉店しちゃいましたし。
ウォッチメンの設定って、ジョージ・R・R・マーティンがとりまとめ役のシェアード・ワールド〈ワイルド・カード〉シリーズを思い出します。
多数のヒーローによるアメリカ現代史の語り直し。面白かったんだけどなぁ……。
やっぱり人の感性はさまざまで面白いですね。
ちなみにあたしは面白くなかったです・・・m(__)m