Nicotto Town


安寿の仮初めブログ


シベリア上空


この文章は3月25-26日の帰国便で書きました。

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ルフトハンザ機LH710便の機内でパソコンを開いて、
この文章を書いています。

フランクフルト空港発・成田空港行きのルフトハンザは、
本来でしたら最近デビューしたばかりの
全部2階建てエアバス機なんですが、

あちゃー、

キャンセルが相次いだのでしょう、
エアバスの小型機に機体が変更となっています。
その小型機でさえ、定員の5割程度の搭乗率。


まあ、当然と言えば当然ですね。
この時期に日本に渡航しようとする外国人は少ないと思いますし、
成田から外国へ旅立とうとする日本人も少ないはず。
(震災から2週間立ちますので、
 外国人の日本脱出のピークも一段落しているでしょう)


2階建てのエアバス機に乗れるのを楽しみにしていたのですが、
搭乗ゲートがバスで移動するタイプになっていた時点で、
嫌な予感が…。          ☆\(ーーメ


窓際で地上がよく見えるように、
席も事前に指定しておいたのに、
機体が変わったので、
席の場所も変更になっていました。


窓側は変わりませんが、
えーーん、翼の真上じゃ、トイレのそばじゃ。
翼の上は地上が見えないし、
エンジン音がうるさいので、
避けたつもりだったのに。


まあ、翼の上と言っても後ろの方ですから、
なんとか地上は見えますし、
耳栓代わりにウォークマンを耳にしてますので、
(最新のウォークマンは音楽を聴かなくても、
 電源が入っていると周囲のノイズを
 シャットダウンしてくれるのです)
まあ、これで良しとしましょう。

むしろ隣の空いてる席も使うことができますから、
ある意味、気兼ねなくパソコンが打てます。   ☆\(ーーメ


昔、FM東京だったかな、
夜12時に日本航空のスポンサーで
「Jet Stream」というイージー・リスニング番組がありましたが、
そんな気分でこのメモを書いています。


ちょうど地球の回る方向と反対方向に飛んでいるので、
13時30分フランクフルト発ですが、
昼食の提供が終わると、窓を閉め、
機内の電気も消え、お休みモードになっています。


ですが、まだ、17時30分です。
こんな早くに眠れるかい!


で、私一人だけ起きていて、
窓を開けて急速に夕暮れていく空を眺め、
とっぷりと暮れた今、
読書灯を付け、パソコンを開いて、
このメモを書いているわけです。


現在、シベリア上空を飛行中です。

窓の下に時々、明かりが見えます。

暗くなる前に見た地上は、一面の雪景色でした。

ドイツは春の始まり、
フランクフルトでは、
早咲きの桜が咲いていました。
でも、ポーランドに入り、
ベラルーシあたりからモスクワを経てシベリアまで、
すべては凍てついています。


でも、暗くなって初めてわかったのですが、
こんな凍てついた世界でも、
あ、明かりが見える、
あそこに街がある。


…こんなところにも人が住んでいるんだ…。


空を見上げれば、
いくつかの星。
水平方向には
この機と平行して飛ぶ
飛行機の点滅するランプが…。


皆が皆、
どこかへ行こうとしている…。

私はどこへ行こうとしているのだろう。


現在、18時。
読書灯の明かりに照らされて、
私一人だけが暗闇の中、
周囲から浮いています。


(とはいえ、宵っ張りの安寿さんに
 この時間に寝ろというのは無理というもの。
 これから『存在の耐えられない軽さ』を読むことにします)。


アバター
2011/04/04 22:39
皆さまへ

今日また、プラハの本を読んでいます。
もう一度、プラハに行こうと思います。

夜、誰もいない石畳の街をまた一人で歩いてみたい…。

私は幽霊のような旅人になりたいんだと思います。
アバター
2011/04/04 22:23
初めてコメントいたします。
旅行中は、自分の存在がくっきりと切り離される感じを味わうことが多いです。
こちらのブログを読んで、そんな印象を受けました。
ああ、旅行したいです・・・。
アバター
2011/04/02 22:20
上空何千メートル というところのつぶやきが興味深かったです
飛行機から眺める広大な景色と
孤独感とも違う たった一人の感じ
安寿さんはどこへ行かれるのかな・・・
私は どこへ行くのかな・・・
なんてことを考えながら拝見しておりました^^
アバター
2011/04/02 14:25
こんにちは。
シベリアを飛んだことは何度かあります。
地上の景色が長い時間変わりません。大陸の広さを実感させられます。

原発関連のサイトはずっと参考にさせていただいております。



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