福島原発の情報は整理してください。
- カテゴリ:日記
- 2011/03/13 16:44:01
12日夜から13日朝にかけて、報道で「チェルノブイリ」の名前があがっていました。
これにともなって、誤解のツイートなども見られました。
なので、僕が正しいと判断した範囲で、書いておきます。
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まず、重要なのは
福島原発の核分裂は停止しています
地震発生時の自動停止が作動して、原子炉は停止しました。
一般に流れている情報の範囲で、状況判断としては、
「核分裂が進行していた場合、発熱が止まらないため、水の循環が停止した状態では、加熱が続き、炉が破壊します」。
実際には、報道の映像などから見える限り、設備は停止していて、この状況で一日以上同じ状態を保ちました。
また、外壁が破壊されても、内部に目立った異常が無いのは、炉が停止している証拠です。
炉に異常があれば、この程度の破壊で済むはずがありません。
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ここまでの判断から、燃料棒の溶解は、余熱で起きていることがわかります。
「余熱」です。
地震当時の発電量はわかりませんが、数万キロワットの発電をする熱量です。
原子炉の容器は非常に丈夫で、密閉されているだけに、熱も外へは出ません。そのため、余熱とはいえ、長時間高温を維持してしまいます。
そのために、積極的に冷却する必要があります。
これが、12日夜から行われている、海水の注入です。
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ここから、
広まっている誤解を修正するために書きます。
報道で名前のあがっているチェルノブイリですが、これは、事故の性質が根本的に違います。
詳細は、研究者でも説の分れる事故ですが、共通認識としては、
運転中に炉の状況判断を誤ったために起きた事故です。
重要なのは「炉の停止ができずに加熱した」ことです。
チェルノブイリは『核分裂が止められなくなった』事故です。
ここが、福島原発と根本的に違います。
福島では「核分裂は停止しています」
チェルノブイリとは違います。
ですから、報道が使う「メルトダウン」という言葉も、本質的に違う意味になります。
広い意味で「溶解」ですが、
「余熱」で溶解しているのと
「発熱」して溶解するのとで
本質が違うことがわかっていただけますね。
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今のところ、福島で起きている事故については、チェルノブイリと比較して考えることはやめてください。
大学教授などは、日常的に「解る人同士で会話」をしているので、知らない人に解説する言葉は、すぐには出ないと感じます。
それに対して、質問する側の、アナウンサーは、質問に使うべき言葉の選択ができていません。
両者が、互いに探り探り会話する状態なので、第三者が理解できる言葉は少なくなるはずです。
本来、解説員や、記者に、専門家がいて、その人が情報を整理するはずなのですが、ここ十年ほどで、テレビでは解説員が姿を消してしまいました。
新聞記者も、担当分野を持つ専門家がいるはずが、勉強不足が増えています。
受け手としては、慎重に、誤解もあり得ると、選択肢を多い状態で受け取るべきでしょう。
あまりに、、酷い誤解を生むような番組作りは、、いかがな物かと思います。
はっきりとした、誠意ある発言をしない、、政府関係各位にも、、問題がありますが。。
心配ですが、原発がとにかく心配です。
ニュースなどの報道を随時確認して、努めて冷静でいようと思っています。