Nicotto Town



『精霊の世界、星の記憶』 第4話「空気の精霊」①

 

第一章 シリンダの森



「空気の精霊」



星史はシルビアの言葉に、ふと現実に戻った。

突然この世界に来てしまい、人間の世界から姿を消してしまった自分を心配する両親のことを思い浮かべた。

けれど、ここに来てしまっている以上考えても仕方ないと思った。

「……うん、そうだね。いつかはね」

と星史は言葉を濁すように言った。

それを聞いたシルビアの顔はくもり、

「そうよね……、帰りたいに決まっているわよね……」

と言った。

星史はあわてて、

「べつにすぐに帰りたいわけではないよ」

とシルビアに言い、さらに、

「だってさぁ、精霊の世界なんて来ようと思ったって、来られる場所じゃないし、せっかく来ることができたんだから、いろいろ見てみたいよ! こんなチャンス二度とないと思う」

と付け加えた。

シルビアは星史の顔を見て、大きな緑色の目をさらに大きく見開いた。そして、静かに笑った。

「シルビア、案内してくれるよね?」

「ええ、もちろんよ。でも、ちゃんと帰れる方法も探さなくっちゃいけないわね!」

と可愛らしく右目をウインクした。

「ありがとう!」

と星史は明るくにっこりと笑った。

#日記広場:自作小説

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2011/04/16 22:42
>若草さんへ

とても嬉しいコメント、どうもありがとうございます♬(≡^∇^≡)

星史くんは意外と育った環境に順応していますので、ちょっと年齢よりも大人びた子でもあります。
そして、、いろいろなものに興味を持っています♪

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2011/03/09 19:04
星史さんは優しい思いやりあふれた方なんですね
私だったらこんなに落ち着いていられないと思います



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