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■近代文藝之研究|研究|美學と生の興味(13)

■近代文藝之研究|研究|美學と生の興味|上 生の哲理|四 (3)

此に於いてか生の無限といふ要望は、變形せざるを得ぬ。ちやうど敷石の下に生えた草の芽が、頭を押へられて屈曲するやうに、生の無限といふ素直な要望は、有限の押さへ石に突きあたり、曲りくねつて、さながら上からでも生えた如く、再び下にきさりかゝつて來た。ちよつと見れば其の根が上方にあるかとも思はれる。
それが即ち道徳宗教である。



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*註1:要望
「要」の俗字。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/you.jpg
「望」の正字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/bou.jpg

*註2:突き
「突」の旧字体。「穴」+「犬」。

*註3:道徳
「道」の旧字体。「シンニョウ」は「二点シンニョウ」。
「徳」の旧字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/toku.jpg

※註4:きさりかゝつて來た
「きさる」の意が不明で誤植かと思ったが、「離れる」「退く」の意があるようだ。

※註5:宗教
「教」の正字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/kyou_oshieru.jpg

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■抱月『近代文藝之研究』を註記なしに通しで読みたいかたは、こちらをどうぞ。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/kbk_tobira.html
■このテキストの原本は国立国会図書館「近代デジタルライブラリー」収録の「近代文芸之研究 / 島村抱月(滝太郎)著 早稲田大学出版部, 明42.6」の画像データに依っています。
http://kindai.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/871630/1

(2014/06/05/初校)




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