『精霊の世界、星の記憶』 第1話「出会い」
- カテゴリ:自作小説
- 2011/02/24 23:52:00
第一章 シリンダの森
「出会い」
朝のやわらかく淡い光が、すぅーっと木々の間から伸びてくる。
朝一番のさわやかな風が吹き抜けて行き、森を目覚めさせていく。
ザワザワザワ……、濃い緑が、森が起きていく音がする。
その音を聞いて、眠っていた精霊たちは目を覚ます。
そして、小鳥やリスなどの小動物たちが次々と起きていく。
腰の辺りまである長く美しい金色の髪、この森のように濃く大きな緑色の瞳を持った少女が、木々に手を触れ朝のあいさつをしながら歩いていた。
少女はこの森の長老、一番の老木に朝のあいさつをしに行く。
森の長老は人間の観念でいう年齢でいうと、太古の太古のお年、樹齢三万年は超える老樹だった。
このシリンダの森の中でもひと際大きく、他の木々たちを圧倒させる貫禄を持っている。
少女は遠目から、その老樹の木の根元に小さく何かあるのに気がついた。
だんだん近づいて行くと、それは無造作に寝ている少年だということがわかった。
少女は首を傾げながら側により、少年のすぐ横にひざをかかえて座った。
そして、少年の顔をじっと見つめた。
――見たことのない顔だわ。
「あっ!」
と少女は思わず声をあげてしまう。
――この世界のモノではないわ。異世界……、たぶん人間だわ。
いいえ、たぶんじゃなく、人間界から来てしまった人間なんだわ……。
と少女は思い、少年が目覚めるのをそこで待つことにした。
突然の訪問者、すやすやと眠る少年を時々やさしく見つめながら。
朝のやわらかい光が、絹のようになめらかな少女の髪にまとわりつき、より一層金色を輝かせていた。
心地よいそよ風が、その髪をやさしくとかしながら吹いて行った。
まるで砂金が、サラサラサラ……とこぼれるように。
突然、少年が寝返りをうって、まぶしそうにそっと目を開けた。
≪・・・・・・つづく≫
とても嬉しいコメント、どうもありがとうございます♬(≡^∇^≡)
ファンタジーの世界、楽しいですよね♪
映画とかのファンタジーもの、ロードショーされると観に行きたくなります(*^o^*)
これからどんなサーがが始まるのか
わくわくしております^^
ファンタジー大好きなんです
うれしいですね