薄桜鬼 ~赤き紅蓮の書~
- カテゴリ:自作小説
- 2011/01/27 20:39:08
~赤き紅蓮の書~
ーあいつと出会ったのは・・・紅い炎の中だった。
第一章 燃える屋敷
「はぁはぁ・・・これでしめぇだ!!!」
ぐっしゅう
鈍い音が広い広間に響き渡る。京都のとある屋敷にその男はいた。
男は藍色の羽織を着ていて、長い槍を手に持っていた。男の周りには死体が数体転がっていた。
男は最後に残った一人に止めを刺す。
「ぐっはぁ・・・・・・」
止めを刺された男はうずくまるように倒れた。
「はぁ・・はぁ・・・・これで全部だよな?」
男は息を切らしながら辺りを見回す。
その男の名は・・・「原田 左之助」新選組 十番組組長を務めており、槍の使い手であった。
原田は槍を強く握り締めて念入りに辺りを見直した。すると後ろの押入れから物音がした。
「誰だ!!誰かいるのか?」
原田は慎重に押入れに近づいた。そしてその戸に手をかけたとき・・・。
ドン!?
「何だ?」
大きな音が原田の耳に入る。何事かと音のした方に目をやると、そこは火の海になっていた。
「な!?火事」
原田の気はすっかりそっちに向く。唖然と火の海を見ている原田の後ろから声がする。
「何してるの?左之さん!!早く逃げなきゃ!!!」
「平助?」
平助と呼ばれた青年は唖然と突っ立っている原田の腕を引っ張った。
「ほぉらぁ!!!早く」
「あ・・・ちょ・・・・」
原田はそのまま平助に連れて行かれるように外に連れ出された。
外に出ると中の先ほどの騒ぎが嘘と思えるほど静かに見えた。
外には同じ羽織を着た数人の男たちが待ったいた。
その中の一人がやけにニヤニヤしながら近づいてくる。
「よう、平助に左之・・・遅かったな」
「何さ?いいだろ別に。新八っさんには言われたくないね」
小馬鹿にするような態度をとる新八と言われる男はそのまま平助を見下ろす。平助も平助で反発する態度とる。
「おいどういう意味だ?それ」
「新八っさんは普段からノロノロしてるだろ?今回たまたま早く終わったからって偉そうにしないでくれって言う意味」
「おめぇ・・言うようになりやがった・・・このやろう」
新八はおおきく太い腕で平助を捕まえる。首のところに腕を回すともう片手の手で頭をぐちゃぐちゃにかき混ぜる。
「ちょ!新八っさん!!!痛い!!いてぇ~よ!!いてぇ~~~~!!!」
「うるせぇ~」
そんなやり取りを見て原田は一人微笑する。しかし何時ものように笑えない。まだ心に何かがひかかっている。
ーさっきの・・・。
すると後ろのほうから更に声がする。
「まったく平助も新八さんもまだまだ子供だよねぇ~」
「どういう意味だ!!」
平助と新八は二人で同時に声の主に対して敵意のこもった言葉をもらす。
「そのままの意味ですよ」
それだけ言うと声の主は笑顔のまま立ち去ろうとする。
しょげている二人をみた原田は弁解してやるつもりで話始める。
「おいおい総司。あんまり二人を苛めないでくれ!本当のことを言われれば誰だってショックを受けるだろ?」
その言葉を聞いた瞬間総司と呼ばれる声の主は笑い声を噴出す。
「ちょ・・・左之さん・・・・プッ・・全然フォローで来てないよ^^むしろ汚してるよ;」
さらに二人は落ち込み始める。
原田は自分が言ってはいけないことを言ってしまったことに気付いて反省する。しかし総司の笑声まはまだ消えない。
そこに黒髪の男の怒声が入り混じる。
「おい!!総司うるせぇぞ!!!!!!」
「はいはい」
総司は大人しくなった。総司だけでは無く周りのみんなの心にも静けさが訪れた。
鬼の一声とでも言うのか、男は新選組 副長 土方 歳三 。鬼の副長という名も持ち会わせていた。
土方は各組に命令を出しては状況確認をしていた。そしてその場に居るものが全員落ち着くと安堵のため息えおついた。
「はぁ・・まぁなにはともあれ・・・・終了だな?」
「そうですね・・・結果的にはお終いでしょう?」
「今回は結構しぶとかったよな・・・」
土方の言葉に続いてそれぞれが各々の意見を言い放つ。
そんな中、やはり原田だけはその場に心が置いていかれていた。
ー本当におわりなのか?
そういった思いが立ち込める。
「んじゃ、残りは近藤さんに報告するってことで・・・おめぇら帰るぞ」
土方の言葉でそれぞれが動き出す。原田を残して。
原田は先ほどの押入れのことを思い出した。
屋敷のほうを振り返ってみたが屋敷は既に燃え、もはや只の瓦礫の山にしか見えなかった。
火はもはや消されては居たがもし中に人が居たならば到底助からないような、無残な光景だった。
原田がぼんやりと屋敷跡を見ていると、また不意に後ろから声がする。
「左之さん?何してんの?行くっよ!!」
平助だった。
心配そうに覗き込む平助。原田は一瞬迷ったが、何も無いと自分に言い聞かせて、平助の頭を無造作に掻き毟る。
「何でもねぇ」
そうして先に進んだ。平助は一瞬唖然としたが、すぐに正気に戻り原田の後を追う。
続く^^



























大丈夫だよ(´∀`*)
忙しかったトカでしょ???