腑に落ちた瞬間。(「思い出の本」について)
- カテゴリ:小説/詩
- 2011/01/26 23:06:05
小さい頃、うちには1匹のスピッツがいました。(もしかしたら雑種かもしれません)
どうやら私の子守はその犬に任されていたらしく、「姿が見当たらないので探していたら、犬小屋で発見された」などという話も聞かされました。(当然、本人は覚えていません)
だから、という訳でもありませんが、猫よりも犬、それも大型の犬が好きです。
そんな私のところに、ある日1冊の本がもたらされました(大げさな)。
『シートン動物記1 狼王ロボ』(偕成社)です。
その中の1篇、『名犬ビンゴ』を読みながら、私は不思議でたまりませんでした。
その中でビンゴは、いい血統のコリーの両親から生まれたのに、とんでもない駄犬呼ばわりされているのです。
でも、そこに描写されているのは、ごく普通の、主人に忠実(そうな)犬の姿でした。(ちょっと放浪癖があるっていうのが難点かもしれませんが)
犬種が「コリー」っていうのも、なんか違和感がありました。
当時「コリー」といえば『名犬ラッシー』のあの犬の事でした。でも、シートンの書いた挿絵の犬は、その「コリー」とは似ても似つかぬ姿をしていました。
さて、時は流れ、何回かのペットブームがやってきました。
ある時期、『ボーダーコリー』という犬が羊を集めたり、『アジリティ』という競技をしたりする映像を頻繁に目にするようになりました。
ああ、なるほど。
ビンゴはこいつらの一族だったんだ。
柴犬並みのフリーダムさじゃ、『駄犬』呼ばわりされても仕方ないわ。
と納得した、という次第。
ちなみに、一般的に言って、洋犬よりも和犬の方が『自立性』が高い、と言われています。
牝の癖にとにかく気が強かった。大型犬とは言えない大きさですが、
ヒグマに勇敢に立ち向かうというのはなるほどと思うくらい。
その上、首輪くぐりの名犬で、脱走しては何処かの犬と喧嘩をしていました。
和犬の方が自立性が高いというのも頷けます。