去年の年末、12月30日。
私は、神戸へ帰省するために、
東京駅のプラットホームに立っていた。
毎年、仕事がいつ終わるかわからないので、
始発駅である東京駅から自由席で帰るのだ。
これなら、１本見送れば、必ず座れるので、
この方法を毎回利用してる。
あと、指定席は、時間を制約されるので、
それが苦手というとこもあって、
いつも私は、この方法なのだ。

そして、１本見送り、のぞみに乗りこむ。
座席は２席と３席の列になっているが、
２席側の方の空いている通路側に座る。
隣の窓際の席には、20代後半の女性。
その選択は、半分は偶然で、半分は必然＾＾
彼女は、キャリーバックを足元に置き、
携帯のメールをチェックしていた。
ボクが座ると足元のキャリーバックが
少し、はみ出していたので、彼女は、
それを、私に謝った。
「いいえ、大丈夫ですよ＾＾」と、私。
好青年アピールである。

しばらくして、ざわざわしていた車両も
乗りこんだ乗客たちが、自由席に座り
落ち着きをとりもどす。
すると、隣の彼女が、今度はiphoneを
取りだし、メールチェックか何かをしはじめた。
ふと、そのとき、私は、帰省したとき
ニコにアクセスできないことを考えていた。
実家には、パソコンもネット環境もないのだ。
ノートブックはあるが、最近、不調で、そのトラブルの対処に
追われそうなので、持ってくるのを止めたのである。
「仕方ない神戸のネットカフェでも、行くか。」と、
思った頃、隣の女性は、足元のキャリーバックから
今度は、ノートブックを取り出した。
彼女は、私が思っている以上に、ネットに
つながっているのだ！
それにひきかえ私は、只今、孤立無援。
彼女は、ノートブックで、メール作成をはじめた。
私は、礼儀を重んじ見ないように心がけた。

しばらくして、私は、なにげなく横を見た。
すると彼女は、気持よく眠っているのだ。
ノートブックを見ると不安定な彼女の膝の上で
ゆらゆらしてる。
私は、それを落ちないかどうか見ていると、
メールの文章が、目に入ってくる。
読まないように、努力するも、でかい文字で、
書かれた文章は、読むなという方が不可能であった。
ここにきて、視力左右１．５が恨めしい。
私は、このノートの落下を食い止めるために
見てるのだから仕方ないんだと、言い訳していた。
しかし、のぞき見には変らない。
そして、さらに、その文章は、凄いところで止まっているのだ。
女性の友人宛てに書かれてるメールなのだが、
今年一年のお礼を書き、来年の自分の豊富を書き
そして、

来年こそは、彼氏を＿

でカーソールが止まっているのである。
私は、もう一度、
このノートの落下を食い止めるために
見てるのだから仕方ないんだと、言い訳した。

この想像以上にネットにつながっている女性を
ノートが落下する意味でも、この文章の続きを見たい意味でも
彼女を揺さぶり起こしたい衝動で、爆発しそうな私がいたのは云うまでもない。



追記

神戸で、私は、ネットカフェへ行ったが、
ニコにアクセスできないという制限がかかったブラウザだった。
やがて、仕事の疲労からか、熱が出て、完全な寝正月になってしまう。
私の神戸でのネットへの孤立無援は、半端ではなかったのでした。