【あらすじ】女刑事の里央は、犯人を追跡中に撃たれてしまい、そのせいで復帰後左遷されてしまう。その先は何故か憧れの警視庁凶行犯捜査課。だが、行ってみると里央は捜査一課の分室の室長で、ちょうど起きた通り魔事件の捜査の蚊帳の外。小坂課長に一緒に働くことになる人物を迎えに行けと言われ、稜南大学の南雲準という心理学の教授を訪ねる。そこでは南雲がちょうど、里央が撃たれた事件を参考に、行動心理を教えているところだった。

【感想】これは何トゥ・ミー？ｗ　いやー、ここまで完全にパクりだと、かえって清清しい気持ちすらします。私は最近の海外ドラマってあまり見たことがないのですが、たまに機会があって一部見たりすることがあって、ライ・トゥ・ミーも２話くらい見たことがあるんですが、ここまでそっくりだとは見るまで思いませんでした。知らない人のために書いておきますと、ライ・トゥ・ミーとは心理学者の主人公が表情や仕草から嘘を見破ることで犯罪捜査の手助けをする姿を描くアメリカのドラマです。他にも似たようなドラマはありますが、ライ・トゥ・ミーは主役(CONTROLでは準主役ですが)が心理学者というところまで同じ。まぁ、パクリでも内容が優れてれば、パクリ元を知らない人にとってはいいドラマになるし、和製ということに意味が出てくるからいいんですが、残念ながら…。芸達者な脇役とフジテレビらしいスタイリッシュな味付けにごまかされてわかりづらいですが、事件の方は見事にスカスカでした。連続殺人事件が起き、その３件目の犯人と「偶然」南雲が接触する機会があり、それで疑いを持ち、２度目の接触で彼らが何かを隠していることを確信、妻に標的を絞るよう里央に指示して里央が妻を警察に連れてきて、刑事が妻に尋問して自白。何の証拠もなく、心理学者が犯人を追い詰めたわけでもなく、えっ見所どこなの?って感じでした。うーん、女性が主役の刑事ドラマ、今の感じだとLADYの方がまだ面白いですね。こちらはキャラクターに走るしかないと思います。特に鑑識役の佐藤二朗は何かやってくれる子なので期待しています。正直あそこしか笑うとこなかったよな～ｗ コメディじゃないからいいけど。今期は木曜に船越主演のやっぱり心理捜査みたいな刑事物が控えてるんですよねぇ。さすがにかぶりすぎ…。

【あらすじ】不動産会社社長が茶会の最中に殺され、現場から本能寺の変をくぐりぬけたという伝説を持つ油滴天目(ゆてきてんもく)茶碗だけが消えていた。浦沢右が刑事の亜子とともに捜査に乗り出すことに。二人が被害者の茶の師匠・宮部小百合を訪ねると、小百合の父が戦時中、事件現場から消えたものと同じ茶碗で出征する青年たちの壮行の茶会をしていたことを聞かされる。(公式より)

【感想】最初の方、ちょっとだけCONTROLと被っていたので、あらすじは公式から引用させていただきました。今回の事件はちょっとはぐれ死っぽい感じでしたね。「はぐれ死」について知らない方はぜひ、ぐぐってみてください。笑えるので。完全にはぐれ死とも言えないのは、最初の犯人に殺意があったこと。ただ殺意があろうとなかろうと、ババアが突き落としたくらいじゃ死ななかったってことですね。見事なのはそれまで１０秒くらいしか出るシーンがなかった男が真犯人だったこと。つまり、このドラマにとって殺人などどうでもいいってことなんですよ。一応顔見せとかないとまずいかな程度にしか出てなかった人が犯人なんですから。このドラマにとって本当の主役は美術品。主役の右すら美術品の解説役でしかないんでしょうね。ドラマではフェイクを使うのが一般的ですが、このドラマは大写しになるところのみ、実物を使用しているそうです。全部が全部ではないでしょうし、今回、前回のテーマとなった美術品は偽物でしたから、それ以外の物ですね。今回は茶杓だったそうです。狩野探幽自身が制作して自署したもので、箱書きは、徳川御三家のひとつ、水戸藩第８代藩主の斉脩公のもの(公式より)だそうで、マンションと呼ばれていたそうです。それ１つでマンションが買えるような値段だとか…ｗ そういうものを扱う役者さんはかなり緊張するみたいですね。というわけで、２回にしてこのドラマのスタンスがわかりました。科捜研の女のテーマが科学捜査なら、こちらは美術品です。事件は添え物。なのでＮＨＫだけに「美の壷～事件編～」というタイトルでもよかったかもしれませんねｗ