私は、友人や恋人など、誰かと行動を共にするときは、
次への行動の支障を積極的に排除して進んでいきます。
しかし、独りで行動するときは、その時とはまったく別人で、
あつかましいモードを封印し、極力、存在を失くすように努めます。
なぜならそれは、例えばレジに並ぶとき、一刻も早く清算を済ませようなんて
強い意志を持って行動してると勢いよく割り込む人に遭遇して、
とても口惜しい思いをすることになってしまうからです。
それなら、最初から敗北宣言をし、どうぞ、どうぞモードに、することで、
イラっとすることを少しでも減らそうとする私のアイデアなのでありました。

昨日の日曜日、私は、いつものどうぞ、どうぞモードで、川崎にお出かけをしました。
１９時に、髪を切る予約を入れたので、それまで、ウィンドウショッピングを
楽しもうと考えていました。
１７時、川崎に到着。
そして、しばらくお店を見て歩いていると、女性の下着売り場にさしかかりました。
そこへ、正面からその下着売り場の中を駆け抜ける男の人！30代前半くらいかな？
「（女性下着を見ながら）いやらしい、捕まちゃう、捕まちゃう。
（女性下着を見ながら）いやらし、捕まちゃう、捕まちゃう。」
と、その下着売り場の中を駆け抜けていくのでした。
私は、その不思議な呪文に肩を震わせました。あぶねー奴＞＜

そんなおもしろ遭遇の後も、私のウィンドウショッピングは続きます。
時間が、１８時３０分になった頃、ラゾーナの中にあるカフェの前で、足が止まりました。
おいしそうなスイーツが、目に入ってきたのです。
私は、残りの３０分を、そのカフェで過ごそうと決めました。
店内を見渡し、カウンター席に座りました。そこには、PCが置いてあったので、
時間つぶしにはもってこいと思ったのです。
席に着くなり、女性の店員さんを呼び、表で見てたスイーツとカフェラテを注文しました。
待ってる間、ニコにアクセスし、数人の友人を訪問しました。
やがて、隣の空いてた席に女性のお客さん。私は、PCに夢中でした。
そこで、あれ何分過ぎたのだろう？携帯を探そうとしたとき、唖然としたのです。
私のその隣の女性のお客は、ハンバーグをもりもり食べているのです。
嫌な予感がしました。スイーツとハンバーグ、追い抜かれるオーダーか？
厨房の方を覗きこむ私。
忙しいそうにみんな働いている。
携帯の時間は、１８時４７分である。
こんなかかる訳がない。と、思った瞬間。
女性の店員が、困った顔をして駆け寄ってきた。
「す、すみません。オーダーが、入っていませんので、
い、急いで作りますので、ご注文をもう一度、、、」
たぶん、ここのオーダーのシステムは、機械で打ち込む方式なので、
最後に決定キーのようなものを押し忘れたのだろう。
あんなイージーなオーダーなのに覚えてもいないのか、、、
その横で、隣の女性のお客は、ハンバーグをもりもり食べている。
この人は、ぜんぜん悪くないけど、その光景にイライラした。
さすがに、どうぞ、どうぞモードにも限界があったのだ。
さらに、あのスイーツの名前をこの段階でもう一度云うのは
屈辱的でもあった。
ここに、このままいては、この女性の店員さんに
何か酷いことを云ってしまいそうなので、
「時間ないから。いいや。」と、店をあとにした。
どうやら、存在を失くしすぎたようだ。

その後、ボクは、美容室に駆け込んだ。
もちろん、担当の美容師に私の姿が見えてるかどうか確認したのは、云うまでもない。