今日、庭でツリーを眺めていたら、サンタが俺の前に現れて声をかけてきた。

「お～い、荘也ひさしぶりじゃな。元気だったか？」

年寄りのくせに、高いところから身を乗り出して、手を振っている。

「あ、危ないって。サンタといえど、じーさんなんだから、気をつけろよ」

はらはらして頭上を眺める俺に、サンタは子供のようにニカっと笑って

「なんのこれしき、まだまだ若いわい」と、腰を左右に思い切り振って見せた。

「あ～、そうかそうか。じゃあがんばってプレゼント配ってきてくれ。俺にプレゼントくれない

じーさんに用はないし」

やれやれと肩をすくめて、俺はサンタに手を振ると、きびすをかえして部屋に戻ろうとした。

と、突然、サンタがうめき声をあげた。

「う、うおおお。い、痛っ・・・・」

サンタはソリの上で腰を押さえてしゃがみこんでいる。

「ほらみろって、言わんこっちゃない」

呆れる俺に、サンタが涙目で訴えた。

「そ、荘也…わしはまだ、今日中にプレゼントを配り終えないといかんのじゃ」

俺はちらりと時計を見た。確かに、もう、クリスマスまで２時間もない＞＜

「今からでは、代わりを見つける時間もない、そこで頼みがある。お前がわしの手足となっ

てプレゼント配りを手伝ってくれ」

「ええ～～～～＠＠。冗談じゃない。俺、仕事あるし、結構忙しいんだけど」

「大丈夫じゃ、世界のサンタの手伝いをするんだ。会社にはうまく言ってやる」

そう言って、サンタはウインクをした。

じーさんにウインクされてもねえ＾＾；

「ほらほら、時間がない。今から世界中の子供にプレゼント配って回るんだから。

さっさとそりに乗れ」

そういうなり、サンタはそりを俺の前まで寄せて、年寄りらしくない力で引っ張りいれた。

「じーさん、腰痛めた割に随分な力が出てるようだけど…＾＾；」

「ははは、いやな。この頃事業仕訳とやらで、わしらも年々数が減って困っているんじゃ。

この際手伝いを使おうと思ってな」

悪びれる様子もなくサンタは、豪快に笑った。

ったく、仮病まで使って言う事だろうか…。

「で、物は相談なんだが荘也、２５日～２８日まで、プレゼント配りを手伝ってくれ」

「なんで、２８日までなんだよ。時差があっても長すぎだろ」

「この際、月のウサギや、火星人まで久しぶりに足を伸ばそうとおもってな」

サンタはそう言うと、俺をそりに乗せたまま有無を言わせず空を滑りだした。

ああ、俺の運命はいかに？

というわけで、２５日～２８日まで留守にします。

長い前ふりでした♪