嵐の二宮和也主演の『フリーター、家を買う。』



昨日ついに最終回を迎えましたね～。

１話から欠かさずずっと観てきましたが、最後は大団円になって良かったと思います。
このドラマは今年一番面白いドラマだったんじゃないかと個人的には思ってたり。
ニノは昔から演技には定評があったので、今回も安心して観る事が出来ました。

それはそうと、最終回を迎えた後の余韻を噛み締め、フリーター、家を買う。をまた少し見返してみたりしたのですが…観ると必ず泣いてしまうシーンがあるんですよね。



そのシーンとは…

第４話、飲み会のカラオケで主人公の誠治が泣きながら鬱病の母親の事を職場の同僚達に打ち明けるシーン



この場面はね、本当に身内の中の誰かの介護経験者じゃないと分からない心情の描写だと思うんですよ。


「もう無理だよ…。おふくろの面倒見るの、もう無理ですわ。もし……本当におふくろが居なくなったら……俺は、俺は多分、ホッとすると思う」


この誠治の台詞。酷い台詞だと思うでしょう。
普通ならね。本当に残酷な感情なんだと思う。

でもね、実際に介護してる側にとっては本当にこんな気持ちになる事もあるんです。

どんなに大好きで大切な相手であったとしても、介護はしんどく辛いもの。
最初のうちは平気なんです。奉仕の心がある限り続けられます。
ただ、長年同じ状態が続くと、毎日の介護の繰り返しが次第に苦痛になっていく。



俺の家は14年間寝たきりの父方の祖母が居ました。

祖母は寝たきりの上にアルツハイマーでもあったので、一人で勝手に救急車を呼んだり、意味不明な事を口走るのは日常茶飯事でした。

父は自分の母だというのに祖母の世話を一切する事がなく、手伝おうとする気持ちもなかったので、介護の全ては俺と母親の二人に委ねてました。

母親は自身も仕事をしながら家では姑の介護に明け暮れ、休む暇もなかった為、ストレスから胃潰瘍にもなった事がありました。俺はそんな母を助けながら、時に愚痴も聞きつつ、家事の手伝いをしたり、祖母の下の世話をしたりしてましたね。


14年という長い年月、そんな事の繰り返し。

いつまでそんな生活が続くのかと思っていたそんな矢先、祖母は最後はあっけなくこの世を去ったわけですが…


生前の祖母を見舞いにも来なかった冷たい親族達を呼び付け、葬式を挙げ。
葬式の最中に俺の叔母さんにあたる人が神妙な面持ちで俺に言いました。

「お婆様が亡くなって辛いでしょうけど…」

それまで何も世話をしてこなかった人だから言える言葉ですよね。
なので、俺はこう答えたのを今でもしっかり覚えています。

「いえ、正直ホッとしてます。これで母が楽になれるかと思うと…嬉しいんです」

叔母さんはそれ以上何も言えなくなったようで、俺を見つめながら無言になってましたね。



そんな経験がある為、フリーター、家を買う。の４話の誠治の言葉と、あの時の自分がリンクしているように感じて、あのシーンだけは涙が堪え切れません。全国の介護者の気持ちを代弁してくれてたんじゃないかな、と思います。

だけど、誠治の母が発症した鬱病も俺は過去に経験した事があるので、そっちにも共感し、弁解したくなるのも事実。難しい問題なんですよね。

他にも色んな深いテーマを掲げたドラマだったので、何度も見返したくなるドラマでした。