✪魔女の贈り物 Ⅲ
- カテゴリ:30代以上
- 2010/12/17 00:06:03
四、五日した日の午後、
おばあさんは孫娘のランちゃんを連れて足取りも軽く店にやってきました。
この日に限っておばあさんは、ためらいもなくドアを押して店の中に入って行きました。
カーシャも慌てて中に入りました、
「ランちゃんどれにしましょうかねー ? 、おばあちゃんはどれにしましようかねー ? 」。
「ランはこれがいい」ランが指さしたのは、はでなブーケが乗った帽子で、
黄色いリボンが付いていました。
カーシャはほっとしました、「おばあちゃんは、これにしましようかね」。
おばあさんの指さした帽子それこそは、毎日飽きずに二人で眺めていたあの帽子。
カーシャはおばあさんの心に入り込んで買う気をなくさせようとしましたが、
おばあさんは強い意志を持っていました。
カーシャは負けました、
そこで今度は店員さんの心に入り言わせました「その帽子おばあさんには大き過ぎますょ」。
「そうかしら」おばあさんはひるみましたが、手はもう帽子をしっかり握っていました。
おばあさんは嬉しさを隠そうともしないで帽子をかぶり、鏡の前に立ちました。
カーシャは孫のランにまで、「おばあちゃんその帽子全然似合わないょ」、
などと言わしました。
本当はとてもよく似合いました、
白い髪の上にふんわりと乗せられた帽子は、
チュールのレースがしなやかに貼ってありその下の花のつぼみを覆っていました。
帽子の下のおばあさんの顔は人が何と言おうと満ち足りていました、
カーシャはおばあさんの心に勝つ事ができませんでした。
カーシャはいちじんの風に体を預けて高く高く飛び上がりました、
どう考えてもあの帽子の事が忘れられません。
そこで、
またいちじんの風に体を預けて今度はおばあさんの家の中に飛び込んで行きました。
ところがおばあさんの家では大騒ぎ、
「ランちゃんがいくら可愛いからってこれじゃ花束が歩いてるようだょ、
おばあちゃんも、年の事考えてお買いになったんですか」。
と、お母さん、
「だから、お前が付いて行けばよかったんだ」と、お父さん。
お父さんとお母さんの小言をよそに、
ランちゃんとおばあちゃんは玄関からまっすぐ鏡の前に行きました。
「ごはんですょ」、
しばらくしてからお母さんが呼びに来ましたが二人ともそのままの姿です。
「ランちゃんいっまでかぶっているの、食事の時ぐらい脱ぎなさい」、
「おばあちゃんもかぶっているもん、いいわょねーおばあちゃん」。
「レディは帽子のまま食事をいただいても、いいのですょ」、
「おばあちゃんったら」、お母さんが嫌な顔をしました。
カーシャは楽しくて思わず笑いが出そうになり、
慌てて窓から空に舞い上がって行きました。
うらやましい気持ちと、
自分の代わりをおばあちゃんがしてくれていると言う嬉しい気持ちと、
ちょっぴり悔しい気持ちとが入り混じっていました。
おばあさんはその日から帽子屋に行くのをやめて、
その代わりあの帽子をかぶって毎日公園へ散歩に出るようになりました。
おばあさんはいっかのように小さい子供が遊ぶ姿をゆっくり見て、
ベンチに座り詩集を広げました。
カーシャもきずかれないように隣に座って、
帽子に触れたり詩集のページをめくったりして遊びました。
魔女カーシャは温かい日だまりがとても気にいってました、
人間がみればおばあさん一人が座っていても、
カーシャから見れば自分とおばあさんが二人座っている事になりました。
カーシャがよくおばあさんに話かけるものですから、
おばあさんはよく独り言を言うようになりました。
おばあさんとカーシャはいろんな事を話し合いました、
楽しかった子供の頃や不安だった少女の頃の事。
胸のときめいた初めてのデート、結婚。
帽子の写真をとった日、戦争。
娘が生まれ、夫が戦死した事。
苦労続きの四十年。
孫娘ランも生まれましてね・・・・、などなどと。
今は帽子を通して楽しかった過去の思い出に戻っている事、
「楽しい思い出は悲しいものですね」。
おばあさんはまた繰り返しました、
その時カーシャに帽子と引き換えにもっともっと素晴らしい、あるものを、
おばあさんにあげようという考えが浮かびました。
大阪城
禁猟区。
忘れられない彼方でし。
私も。
誰にでも名言はある。
名言でしょ。
それもこれもアリかな~~~。
なんだか切ない。
考え方は色々でし、感じ方もそうでしょ。
形のある物でし。
う~んとね・・・、もうすぐでし。
いいな、カーシャ。彼女の素直さがキュアでいる。
私はここんとこ欠け気味な、イマジネーションと
デリカシーをもって、もっとわくわくしていたいもんだ。
人の強さが心に響いたとき、どんなものでも動かせます。
あるものって何だろう。。。愛ですか?
少しせつなさが残るラストなんですかね。
カーシャ、やっぱり魔女なんですね。
きちんと意地悪もしてたし。(可愛かったけどね。)
得るものがあれば、捨てるものもあるって事です。
今晩lastでの、お楽しみ。
ルールを破った代償は、払わなくてはなりません。
魔女の誇りを持って最終話でし。
絵本を読んでいるみたい 絵が頭の中に浮かんできます^^
最後は ぜったい ハッピーエンドにしてくださいね~☆
何をあげるんだろう…
もっともっと素晴らしいもの??
亡くなった旦那さんとの再会??
ってことはお別れ??
きゃ~~・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。妄想が膨らみます…
帽子買えてよかったwww
え?!お別れなの?!
きっと魔女もおばあさんも
帽子ってものが出会いで 繋がっているのかな〜
と想像したいケド・・・
やっぱり魔女には魔女の誇りを持って行きて欲しいなぁ〜
どこへでも現れるんだろうなぁ〜w
さぁーlastでし、お別れは突然に。
でも、おばあちゃんに、家族や孫のランちゃんがいて良かったぁ~。