昔は憧れたXプレーン
- カテゴリ:日記
- 2010/12/12 23:44:54
NASAのスペースシャトルは、世界で唯一、実用化された宇宙往還機だ。
宇宙ロケットは、一回限りの運用で、繰り返し利用することはできない。
それに対して、スペースシャトルは、補助ロケットなどは一回限りだが、本体の宇宙船は、補修しながら、繰り返し運用できる。
繰り返し使える最大の理由は、
大気圏突入に耐える、機体表面のセラミックタイルと
飛行機の形をしていること
スペースシャトルは、もともと、
飛行機がそのまま宇宙まで飛んでゆけるようにする
ことが目標の計画だった。
その計画は、アメリカ空軍の
Xプレーン
が始まり。
スペースシャトルは、Xプレーンから生まれた機体である。
僕は、子供の頃、まだ、シャトルが実験中だった時代に、とても憧れた。
だから、Xプレーンも憧れだ。
憧れ…だった。
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さて、最近、X-37Bという実験機が、220日間の実験飛行を終えた。
http://www.vandenberg.af.mil/news/story.asp?id=123233195
宇宙開発としては、重要な進歩だ。
…でも、僕は素直に喜べない。
Xプレーンは、アメリカ空軍の実験機だ。
一方、NASAのスペースシャトルは、後継機開発が遅れたままで、実現性が無くなっている。
語弊は在るが、おおざっぱに言うと「NASAの予算削減で、宇宙開発は民間の宇宙旅行会社などとの協力で良いだろう」という方針になっている。
現実には、シャトル退役後の国際宇宙ステーションへの物資の輸送は、日本とロシアが主力になり、人の移動はロシアが担当になった。
NASAは、普通のロケットを運用する予定である。
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アメリカは、
NASAのスペースシャトルは、予算の無駄遣いとしながら、
空軍のXプレーンは続けている。
日本にも、あかつきの金星周回軌道投入失敗を、「250億円の国費を無駄にした」と言う人がいる。
映画タイタニックの制作費は2億ドル以上と言われているし、スパイダーマンがそれを超えたと言われている。
映画一本で200億円以上だ。
そして、タイタニックの日本興行成績が262億円。
全世界18億ドル。
日本人が映画を観る程度の予算で、宇宙開発が行われている。
あかつきは低価格なのである。
でも、あかつきに文句を言う人は、
「売り上げが無い!」
という人なんでしょうね。