■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の彫刻…(24)
- カテゴリ:その他
- 2010/12/09 00:49:57
■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の彫刻を論ずる書 第七(1)
第七
同じ結論は異つた方法によつて、デュボアが作にも加へられる。『ナーシッサス』は是れまたリュクザンブールにあつて人の眼を惹く彫刻の一つであると共に、デュボアに取つては一期を劃するの地位にある大作である。彼れは本來寫實的と古典的と二つの傾向を示してゐた人と見える。其のはじめは專ら寫實的方向に走つてゐたが、寫實の動もすれば解剖的眞實を寫すと稱して外形的粗硬の面のみを寫すといふが如き弊あるを不滿とし、之にクラシシズムの優美柔和な所を加へんとした。斯やうにして彼れの作もまた古典的寫實といふやうなものになつたのである。而して『ナーシッサス』は此の寫實的と古典的との調和の成功した頂點を示す作と稱せられる。
『ナーシッサス』は題材も之れが取り扱ひ方もクラシカルである。しかも其の中に近世寫實の精神が混ぜられてゐる。
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*註1:彫刻
「彫」の旧字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/tyou_horu.jpg
「刻」の正字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/koku_kizamu.jpg
*註2:大作である。
原本では「大作である、」となっていたが誤植と思われるので改めた。
*註3:粗硬
「硬」の旧字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/kou_katai.jpg
*註4:弊ある
「弊」の旧字体。「敝」+「廾」。
*註5:優美柔和な所
「所」の旧字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/tokoro.jpg
*註6:調和
「調」の旧字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/cyou_shiraberu.jpg
*註7:近世
「近」の旧字体。「シンニョウ」は「二点シンニョウ」。
*註8:精神
「精」の正字体。旁の「青」の「月」は「円」。
「神」の旧字体。扁の「ネ」が「示」。
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■抱月『近代文藝之研究』を註記なしに通しで読みたいかたは、こちらをどうぞ。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/kbk_tobira.html
■このテキストの原本は国立国会図書館「近代デジタルライブラリー」収録の「近代文芸之研究 / 島村抱月(滝太郎)著 早稲田大学出版部, 明42.6」の画像データに依っています。
http://kindai.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/871630/1
俺の取り扱いと同じだね^^
女の子来ないな^^最近俺から行くけど^^
チェクしよう。ここの勉強^^