Nicotto Town



【小説】紫翼のジーナ~16~

『紫翼のジーナ』6-③話
原案:はじめあき
作者:しゅーひ

フフッと苦笑しながらクロストは話を続けた。

「しかし、ジーナ。キミは運がいいのだろう。リンとキミの核羽はよっぽど相性がいいように見える。リンが水に愛された部族と言われるシアナ族であり、キミの核羽が〈水〉の能力だからかもしれないな」
「どういう事だ?」
「過去二回、キミはリンと融合・・・融合という言葉が適切なのかね? とにかく融合する事によりキミの翼は復活し、そしてキミの持つ能力以上の力を発揮している。理屈は判らないがリンの存在が何かしらの影響を与えているのは確かだ」

クロストの言う通り、〈水〉の力は格段に上がっているのが実感できた。ホルンの技である四神連吼が作り出した火の海を一瞬で消し去るような力は今までは無かった。

「但し、融合するためには条件がありそうだ」
「条件?」
「うむ。それは、意識的か無意識かは判らないが、リンが何かを守りたいと強烈に願うことでキミと融合しているようだ。初めはジーナ、キミ本人を守るため。そして二回目は薬草が生えている湖の畔を守るためだ」

「何かを守る?くだらない感情だ。俺は俺の為に戦う」
ジーナの決意表明のような発言はクロストの言葉でさえぎられる。

「つまりな、ジーナ。キミの能力はリンの許可が無いと使えないわけだ。もっと判りやすく言うと、リンに頭を下げて初めて一人前の力を発揮する」
「そんな、屈辱的な事をしないといけないのか!」

判っていた事とはいえ、改めてはっきりと指摘されたので思わず大声を出し立ち上がるジーナであった。
震える拳の後ろから、澄んだ声が聞こえた。

「ふーん。私の体にそんな事が起こったのね。実感ないけど驚きだわ」

「なんだ、リン起きていたのか」
「はい、お師匠おはようございます」
「聞いていたのなら話は早い。まあ、そういう訳だ」
「そういう訳だ、じゃあないですよ。私知りませんでしたよ?お師匠が翼人族だったなんて!だから翼人族に関して詳しかったんですね?なんで教えてくれなかったんですか」
「言いそびれた。許せ」
「えー?なんですかそれー?」

リンがぷぅと膨れ面をしたままジーナの横の席についた。中途半端のまま取り残されていたジーナがここでやっと口をはさんだ。

「もう一度確認したい。俺の力はコイツに取り込まれてたのか?」
「メスの次はコイツ?リンだって何回言ってもわからないのね」

ジロリと横目でジーナをみるリンは、そこでニンマリしながら続けた。

「私にそういう態度でいいのかな??私の中に核羽だっけ、そんなものがあるんでしょ?ソレがないとアンタは困るんじゃないの?」
「てめぇ!俺の力を勝手に取り込んだくせに、なんだそりゃ!」
「別に好きでそうなったんじゃないわ。アンタが来てから危ない目にばかりあってるじゃない!」
「そんなの知るか!最初にオマエが危ない所を救ってやったのは俺だろうが!」
「じゃあ、その代わりに今日は私のおかげで助かったんでしょ!」

「なんだぁ~このメスぅ~!」
「なによー!」
「てめぇ…今すぐ心臓をえぐり出してもいいんだぞ?」
「やれるものなら、やってみなさいよー。アンタの力が無くなっても知らないわよー」

ジーナとリンは額が触れるほどに近づき、火花を散らしている。二人ともがるるる~という声を発しているようであった。
するとリンはくいっと背伸びをして、なるだけ尊大なふりをしながら言った。

「ふーんだ!そんなに気にいらないなら、能力はあきらめてさっさと家に帰りなさいよ!こっちはアンタなんて必要ないんだからね」
ジーナはギリリと歯軋りをする。今にも口から火を吹きそうな形相だった。

「そうも、言ってられないんだよ。リン」
クロストは静かに二人に割って入るように言った。

「実際、異物を体内に吸収しているのだ、全く無害というわけではない」
「え?お師匠。それって…」
「核羽自体は持ち主であるジーナのものだ。核羽は寂しがり屋らしくてな。元に帰りたいと暴れるんだ」
「暴れる?ちょっ…やだ、どうなっちゃうんですか?」

「私も詳しくは判らないが、具体的に言うと核羽自身がエネルギーを吸収し続けるらしい。つまり、ほっておくとリンの体はどんどん衰弱していくことになる」
「衰弱…ってことは、最後には…」
「そうだ、核羽と共にリン、お前自身も消滅してしまうと言うことだ」

そう言うと、クロストはゆっくりとマローを一口飲んだ。

アバター
2010/12/09 07:52
核羽にしても、師匠の暴露にしても・・・

リンちゃんってば、適応能力が高いのね~w

毎度、続きが気になる所で終わるのがニクイわ
アバター
2010/12/09 00:15
どうなるの?どうなるの?
リンちゃんは。どうなっちゃうの~~~!!!

…手元に本があったら;次は。次は。
で、全部読み切って朝になってそう (・д・。)=3
続きメチャ気になるよっ♪♪
アバター
2010/12/08 17:35
おぉーー この先、どうなるんだーー><
じっくりしっかりみまもります~ww

師匠、まだなんか余裕そうですね~ww
何か秘策があると見たーー!ww
アバター
2010/12/08 17:02
あらららwタイヘンにゃ!

リンちゃんと核羽を分離することはできないのん!?
どきどき、はらはらww
アバター
2010/12/08 16:45
え~~~~~~~~~っ!どうなっちゃうのよ~ リン

ジーナとリン 相性がいいのか 悪いのか。。(笑)
でも もう離れられない運命なのねぇ・・w




Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.