✪帽子 (後)
- カテゴリ:30代以上
- 2010/12/07 00:40:03
うららとてっはあいかわらず帽子をかぶったままだった。
朝は小石を投げて、昼は波乗りや波くぐりを楽しんだ。
昼までは「夏休みの友」の勉強も忘れなかった、
夕方前少しの昼寝もした。
二人はかなり打ち解けて話も出来る様になった、
海に飽きると、裏山に昇った。
木と木の間から海を見っ目ながら、セミをとったり、ザクロを探したり。
桔梗をつんだりして、たわいのない話しをした。
帽子の好きな女の子・帽子の好きな男の子。
「てっ。いいかげんにしろ」、
ある日の夕ご飯の時お父さんが怒った。
てっは怒られてもぬごうとしなかった「なんでじゃ、うららちゃんのまねじゃ」。
ほこさきはうららにまわってきた。
「てっっ」おじいさんもせめた、うららはてっを見つめた。
泣きだしそうだった、てっちゃんがぬげぱ私もぬごうと思った。
「なんだ、帽子なんか、大嫌いじゃ」てっは立ち上がり部屋を出ていった。
うららは、家に帰りたいと強く思った。
夕方それは海がさよならする時間、うららが海辺にいる時間も残り少なかった。
てっは浜辺に向かって走った、うららもてっの後を追いかけた。
浜辺には潮だまりが出来ていて、
うららとてっは帽子を寄せあって潮だまりの中を覗いた。
そこには小さな水族館が広がっていた、
イソギンチャクが水中花のように咲き指の爪ぐらいの蟹が小石の後ろに隠れた。
小指ぐらいのキヌバリやハコフグが海草の林を泳いでいた。
二人は疲れて岩の上に腰かけた、手と手がふれあった。
目の前には夕日が沈み星が海の光に輝いていた、
二人の心の中には今日こそは言おう、今日こそは言うんだって思いが駆け回っていた。
てっの手が動きかけては止まり、動き出せないでいた、
「てっちゃんあたしね・・・」うららの声はなりかけては消えた。
どうしても言えなかった。
「あたしね、てっちゃんの事、好きょ、大好き、でもねあたし・・・」、
帽子の下でうららの茶色い瞳は横にいるてっを見ていた。
つぎの言葉を考えただけですきとは言えなかった、
「本当はとってもみにくい女の子なの」。
帽子の下でてっの黒い瞳は横にいるうららを見っ目ていた、
「わしもうららちゃんの事好きじゃ、大好きじゃ」。
てっも同じだった、「本当はみにくい男の子じゃ」。
帽子はもう我慢できませんでした、
シマシマ帽子と水色帽子はふいに風に乗って飛びました。
「あっ」「あっ」「帽子が」「帽子」二人は立ち上がり空を見上げた、
シマシマ帽子と水色帽子はチョウチョの様に風に乗りフワフワと舞い上がりました。
水ぎわにかさなるようにして落ちていきました、
うららは思わず頭に手をおいた。
はずかしい気持ちが足元から昇って来た、てっも思わず頭に手をおいた。
そこにはおでこの広い可愛い女の子と、髪の毛がちぢんだ可愛い男の子が見っ目会っていました。
おでこの広い女の子・髪の毛のちぢんだ男の子。
つぎの瞬間二人は駈け出していました、
「てっちゃーん」うららは呼んだ「うららちゃーん」てっも呼んだ。
うららは右手をのばしてかけた、てっはうららの差し出した手をしっかりと握りしめた。
風は動いた。
二人は帽子の落ちている水ぎわまでかけて、帽子の上に倒れ込んだ。
水がはねた。
その夜砂浜には二人の姿があった、二人は星明かりの下を疲れるまではしった、
ぬれた帽子が二人が座っていた岩に上に並んでいた。
二人は疲れると砂浜に寝転んだ、夜空の星は二人に微笑み星の贈り物をした。
「UFO」うららは言った「UFOさんUFOさん、きておくれ」てっは言った、
「なにそれ」「願い事」「じゃ、あたしもUFOさんUFOさん、きてちょうだぃ」。
「きたら、何たのむの」「ないしょ」「じゃ、わしもないしょじゃ」。
つぎの日うららのお母さんが迎えに来た。
小さい駅にてっはうららをみおくりに行った。
うららのかばんの中には夏休みの友や絵日記、山で集めた葉っぱ木の実、
砂浜で集めた貝殻や星の形のヒトデが入ってた。
「さようならぁ」、
電車が動き出した時、てっは野球帽をぬいで力いっぱいふった。
「さようならぁ」、
うららも帽子をぬいでガラス窓に広いおでこをつけて、思いっきり手をふった。
「うらら、あんた、とうとう、ぬいだのね」お母さんが言った、
うららは目をつむった。
いったん消えたてっの姿が瞼の裏側によみがえってきた。
夏休みは電車とともにすぎていった。
うららの好きな男の子・てっの好きな女の子。
探検して帰ろう・・・。
迷子にならんように。
ここまでくれば・・・どんどん行くだけでし・・。
これの完結編がアフリカでし。
青春一歩てまえ・・・ってとこかな。
けど この切なさ すごい!
青春バンザイだね(^-^)
さすが ブラボーさん
教えてくれて ありがとう(^-^)
ほんのひと時のティ・タイムでし。
いかん、いかん。
来年か~、そんな事言ったら鬼が笑っちゃいます・・ってもうすぐしゃん。
ふふふ・・今夜から登場大人の熟女シリーズ。
リクエストに応えて、早かったでやんしゅうカモメ。
二人にとっては、とても重大な事なんでし。
すごく大事な瞬間、初めて、みたいな言葉が浮かびました。
来年がすごく気になりますね。
やっぱり気になるもーーーーん。笑。その後、安心して眠りについたのだ。
今夜も、お仕事~~~寝る前に読むから、物語プリーーーーズ。
2人にとって「帽子」は・・・う~ん。キュン!
風のいたずらは、2人の一歩になったんだね。
了解 !! 。
後は なし。
コメントは これだけです。
思春期の物語は何度か書いた事があるんですけど、
どれも出来が悪くてお見せできましぇン。
無垢な子供たちの物語だからでし、たぶん誰にもあった初めての瞬間。
忘れた頃に書いて見ます、ホントに忘れそう。
私達は一人では何もできないけど、みんなが手をつなげば自然は残せるはず。
次の代、そしてまたその先へと残していきたいですねー。
少し大人になって、来年の夏はどうなってるんだろう。
思春期のふたりもしりたいな。
小さな恋の・・、続編があるのは、知らなかったです。
夏・砂浜を舞台にすると、こうもホンワカするのはナゼ…^^;
サザンのBGMすら嘘くさいかんじがするほど
ぴゅあです(*^。^*)
成長したお話しも読んでみたいですね。
デコにちぢれっ毛、可愛らしいですww
この子達の来年の夏休みはあるのかな???
どんな成長を遂げオトナになっていくのかなぁ^^
いつまで起きてるんですか~、
おー!! それイイかも、忘れないうち書こうかな~。
チョット季節はずれでしたねー、海にいて考えてましたから。
今度は、てっちゃんが、うららちゃんの所に遊びに行けばいいよね。
イソギンチャクが水中花のように・・・のとこ、すごいなぁブラボーさんの頭の中の景色がみえたよ~~
こんな夏の思い出あったらいいね・・ちょっとドラマみてる気分
サンキューでし。
このお話しものすごくスキ❤