壊れゆく片割れ 1
- カテゴリ:家庭
- 2010/12/03 20:04:38
「おい、パース!!!」
「うん!!」
ダーン!!!
ボールが蹴られる音がする。
タン!!
僕のパスが繋がる。
「ナイスパス!!華々里(かがり)!!」
「うん、ありがとう。」
普通のやり取り…でもこれは普通じゃない…
だって僕…ロボットなのだから…
僕は国の監視下の元生活してる。部屋なんかない。
友達皆自分の部屋ある…良いな…
でも僕以外に、ロボットいる…
それは双子の兄、佐々里(さざり)。
僕と違う。全然…頭良いから…
でも僕頭良くない…
何でも、継続と発達を調べてるらしい…
でも二人とも、サッカー好き!!!
これ、共通点。
あっ、あと顔似てる。
「おい、華々里!!」
「うん!!」
ちなみに僕のポジション、FW(フォワード)で、攻める子。
佐々里は、MF(ミッドフィルダー)で、中間の子。
「いけ!華々里!!!」
「うん!」
バーン!!!
自分の力精一杯で…蹴る!!
ビューーーーン!!!
「ゴーーーール!!!!!!」
審判の子の声…
「やった!!!入った!!!!」
「よし、このままで行くぞ!!!!」
「うん!!!」
「華々里!!!!」
ビクッ…
この声は…
「華々里!!!時間です。行きますよ。」
そう、僕の兄の…佐々里…
「うん…でも…試合まだ…」
「私だってやりたいですよ…でも…」
そう…これからメンテナンス…
あんまり好きじゃない…ううん、嫌い。
だって、痛い…身体中…
今日何があったか、全部見られる…
隠し事なんてできない…テストの点とか…
テストの点悪いと、怒る…周りの大人…皆…
皆言ってる、「俺達の成績が落ちる」って…
成績…?僕の方が悪いんじゃないの…?
たまに、サッカーの試合出れなくさせられる…
だからメンテナンス行きたくない…
でも、行かないと…怒られる…
「うん…分かった…行くよ…ゴメン!!皆!!!」
「あぁ、良いよ良いよ、いつもの事だろ?今度は佐々里も一緒にどうだ?」
「はい、参加させてもらいます。行きますよ、華々里」
「うん!!」
今日は珍しく行ってみる…うん、何となく…
ギギ…
その時はきずかなかった…
壊れゆく…『自分を…』
「いっ…痛い…でも…でも…終わった…」
「華々里が、普段来ないからですよ。慣れれば平気ですよ。」
「でもー…」
嫌いな物は嫌い…
だって、嫌い何だもん…
「早く行きますよ。」
「えっ?どこに??」
「勉強です。」
「えっ…」
言葉をなくす…
だって…勉強嫌い!!!
断然サッカーしてる方が楽しい…佐々里も好きなはずなのに…何で…?
好きなことしちゃいけないって…誰が言ったの…?
「昨日は…ゴメン…」
「気にすんなよ華々里!!お前の一点で勝てたんだから!!」
「でっ…でも…」
僕居たら、もっとシュート打てた。
もっと点入ったかもしれないのに…
「だって、すっげー離れてたら、やる気無くすだろ?」
「たしかにそうかも…」
「だからだよ。」
にこりと笑う…
「ねぇ、今日は大丈夫だから…また試合しよ!!」
「良いぜ、じゃあ今日サッカーやろうな!!」
「うん!!!」
「ピー!!!!!!!」
ホイッスルが鳴る。
ちなみに今日は佐々里いるだ。
ポーン
ボールの蹴られる音…
よし、試合スタート!!!
「ヘイパース!!!」
「おぉ!!」
バーン!!!
ポーン
僕のチームでちゃんとパスが繋がってる…
よし、上がるか!!!
「パス!!!」
「了解!!!・・・・いけー!!!!華々里!!!得意のオーバーヘッドだ!!!」
「うん!!」
皆が僕にまわしてくれたんだ…
「いけぇぇぇぇ!!!!」
バーーーーーーーーン!!!!!!!
勢いよくボールを…蹴った…
その時だった…
ウィーーーーーーーーー…
身体が…動かなくなった…
そしてそのまま…
ガンッ!!!
「華々里!!!」
いっ…意識が…どこかへ…
飛んで…いき…そ…ぅ…
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