ライトノベル「羽月莉音の帝国」がすごい
- カテゴリ:小説/詩
- 2010/11/25 00:18:02
ライトノベル好きの方に「おすすめのライトノベルってありますか?」と質問したところ
何冊も推薦していただき、そのうちの一冊を買ったのですが、
正直、微妙な感じでした。申し訳ない。
そんな折、別のライトノベルにハマってしまいました。
さらに申し訳ないです。(もちろん、推薦いただいた本もいずれきちんと読みますね)
今回ハマった本はこちら。
「羽月莉音の帝国」 至道流星 ガガガ文庫
ツイッターで「すごい」と評判になってたので、衝動買いしてしまいました。
・・・これは本当にすごかった。ただ、こういうのはライトノベルと言えるのかどうか・・・
いや、こういうラノベもあるということなのでしょう。
タイトルからは想像しづらいけど、現代の日本の高校を舞台にした小説。
羽月莉音やその従兄弟の主人公たちが高校生の部活としてビジネスをはじめて軌道に乗せ、億単位の売上を稼ぎ、株式上場を果たすというトンデモなサクセスストーリーです。
現実味がありすぎな環境が舞台で、トンデモ感もありすぎという奇妙な作品です。
これはもう、ライトノベルファンではなく会計や法律を知っている社会人におすすめ。
いいお勉強にもなります。
企業価値の乏しくなった上場会社に敵対的M&Aを仕掛けるというくだりが恐ろしすぎます。
ダミーのファンドを使ってこっそり株を買い占めるという手法。作中では「グレーゾーン」っぽい言い方してますが、今実際にやると確実に捕まる手法です。しかも、そのM&Aは買収が目的ではなく、裏上場が目的という恐ろしい話。既存の上場会社をハコとして用意し、自分たちの会社(部活ですけどね)をそこに入れるというえげつない手法をとります。ちょっと前にも現実にあって、違法ではないけれども問題視されている手法です。ライトノベルらしくさらっと表現してますけど、やってることはものすごく恐ろしいことです。
このへんの恐ろしさは、おそらく中高生には理解出来ないと思います。
だからこそ、発行からちょっと遅れたタイミングで、ラノベのファン層でない大人の間で評判になったのでしょう。
先日は「なれる!SE」についても感想書きました。
現代日本を舞台にした、業界の空気感たっぷりのライトノベルは私のツボにハマりました。
ただ、これはおそらくIT系周りの人に限定して好評な話なのでしょう。
システム系の会社に勤めてるのでなければあんまり面白くないと思います。
同様に、「羽月莉音の帝国」も、株式公開や会社法、金商法まわりの仕事してる人に限定的に好評のようです。
M&Aや会社法に興味ない方はおそらく実感がわかないでしょう。
ひょっとして、ライトノベルは万人向けじゃないほうが面白いのではないだろうか?
という仮説を立ててます。
2巻でもアングラ勢力(といっても古きよきヤクザですが)と対決したり、
アメリカの軍隊で修行を積んだりします。なんちゅう設定だ。
一冊で完結してますので、1巻だけでもどうぞ。
ただ、はっきり言うとなんですが立ち読み&とばし読みでも十分ですw
申し訳ありません・・・
たしかにとんでもない点数ですね。ガガガ文庫や電撃文庫などのスペースには圧倒されます。
最近、そのへんに立ち入る抵抗がなくなってきましたw
犯罪を犯罪と感じない人が多い時代に危険だな と 余計な心配をしてしまいますが
エンターテイメントとしては それでいいのでしょうね
ラノベは、どこまでもとんがったものにできるのが強みかなぁとも思いますし、それを考えるとその振り幅は一般向けよりも大きいはずです。
その振った方向が自分の趣味に合えば、誰も評価していなくても「自分にとっては面白いもの」でしょう。
とんでもない刊行点数の中から、面白いと思える作品を見つけられて良かったですね。
好みの傾向が似ている人による口コミというのは、やはり重要ですね~。
>Lilimさん
ラノベの明確な定義はないようですね。
ライトノベルでなければ、荒唐無稽なだけの本という気もするので
ここから売りだしたのがが良いのかどうかは微妙です。
ちなみに、設定に限れば涼宮ハルヒのなんとかに似てる、とのことです。
そして、読みますw
ラノベと通常の小説の線引きは、どのレーベルから出ているか
ということだけですので、あまり気にしていません
つまらないビジネス書(←失礼)より、よっぽどいいかもwww
この記事だけでえげつなさを大変感じますww
まねするような馬鹿が現れないといいですけどね~無理かww