Nicotto Town



【小説】紫翼のジーナ~12~

『紫翼のジーナ』5-④話
原案:はじめあき
作者:しゅーひ

ジーナは唯一動く左手をかざし防御の姿勢をとった。それが、まったく無意味だと判っていたが無意識に動いた。
今度こそマズいかと嫌な考えが頭をよぎった瞬間、動かした左手が誰かにぐいっと引っ張られた。

引っ張られたと同時に〈念〉によって封じられていたほかの手足の枷も一斉にはずれて、ジーナはそのまま無様に倒れこんだ。
頭の上を朱雀がゴオっと通り過ぎてく。火の粉がパラパラと落ちてきた。

ホルンも、黒い翼の3人も、当のジーナも一瞬、何が起こったのかわからずポカンとしてしまった。
その瞬間の静寂をリンの大声が破り去った。

「あ・あ・あ・危ないじゃないのぉー!なんで避けないの!このぶわぁかー!」

耳元でリンの大声を聞いたジーナはホルンや他の3人より少しだけ早く行動ができた。
無防備なリンをがっちりと小脇に抱え、後方へ一度飛び上がりその場を避けた。

リンが「ひええぇ」という声をあげる。
着地と同時に紫翼を出し、黒翼の3人に向けて強力な〈念〉を同時に3発撃ちつけた。

「は!寝てやがれ!」と叫ぶジーナ。

ジーナの〈念〉は見事に3人の眉間に当たり、黒翼の3人はあっというまに脳震盪を起こしその場にバタバタと倒れこんだ。
朱雀がホルンの腕に舞い戻ってきた時には、ホルンの従者である黒翼の3人は使い物にならない状態になっていた。

「その遠さからの〈念〉でこの威力か。力が戻ってきてるのか?しかし、何故3人の念が解けたんだ?」

独り言のようにつぶやくホルンからいやらしい笑いはすでに消えていた。そしてふぅと一つ息を吐き、ジロリとジーナを睨みつけた。

「理由はわからないが、まぁいい・・・。炎虎!(えんこ)、炎竜!(えんりゅう)、炎亀!(えんき)」

ホルンの足元に火柱が3本立ち上った。そしてそれぞれ、虎、竜、亀をかたどった炎が並んだ。
全部で4体の火の獣たちをみてジーナに抱えられたままのリンはオタオタしはじめた。

「な・・・なんなの?アレ!あからさまに危なそうなのが増えてるんだけどぉ」
「コラ!ここでジタバタするな。ホルンはこれから得意の四神連吼(ししんれんほう)をしかけてくる。俺の近くにいる方が安全だ。なんせ、あの技はそこらじゅうを火の海にしちまうからな」
「ちょっと!火の海?つまりここを焼き尽くすって事?」
「そうだな。こいつの厄介なのは逃げ場が無くなるって事だ。まったく逆恨みもいいところだ。やっかいだぜ」

「困るわよ!」
「判ってる。俺は今、青い核羽が無いのでの〈水〉の能力が発動しねぇ。は!しょうがないので炎の壁で防御する」
「待ちなさーい!ちょっと、待ちなさーい」
「だぁ!なんだ。うるさいヤツだ。お前の相手をしてる暇はないんだぞ?今、まさに大ピンチじゃねぇか」
「ダメダメダメダメェェ!火の海ダメ!火の壁もダメ!そんなことしたら折角の薬草が全部燃えちゃう!」
「何言ってるんだ!薬草と自分の命とどっちが大切なんだ!」
「ダメって言ったらダメなのぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

するとリンの体が金色に輝きだした。そしてその光はリンを中心に光の玉のようになりジーナをも取り込んでいった。

金に輝く閃光の輝きで湖の水面が激しい光を反射し、あたりを明るく照らしていた。

アバター
2010/11/23 23:31
火龍ですか。かっこいいですね。
こういう小説は書けないなあ。
アバター
2010/11/23 20:56
おぉぉーー 
思った以上にホルンくん、やるじゃんって思ってしまったww
いっぱい出せるんだねぇ、炎の獣ww

再び謎の力の発動ですなーーww
楽しみです。ww
アバター
2010/11/23 20:33
今日は読書の日、ということで、一気読みにゃ♪

おかわり~!
続き早く読みたい!!

登場人物がみーんなイキイキしてて、なんか頭の中でセリフが鳴りまするよ^^

いよいよジーナくん、リンちゃんのありがたみに気が付くんでそうか!?
アバター
2010/11/23 20:10
おおぉぉお~~♪(笑)

リン自身にも 分からないだろうリンのパワーが 動き始めましたねw

わくわく♪ どきどき♪ ヽ(・∀・)ノ ワチョーイ♪ww
アバター
2010/11/23 19:23
いい展開だねー すきだなぁー




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