【小説】紫翼のジーナ~9~
- カテゴリ:自作小説
- 2010/11/20 15:39:04
『紫翼のジーナ』5-①話
原案:はじめあき
作者:しゅーひ
綿でできた柔らかなシャツと動きやすいパンツを履き、小さいバックを荷台にのせた若者がエアー・スクーターで滑走していた。
行き先はシアナ族の住む女神の湖と呼ばれる場所。
若者の名前はジーナ・トロワブル。紫翼を持つ翼人族で現在は片翼が無い。しかし、今は体にしまってあるので翼は見えない。
肩に少し届く長めの黒髪に碧眼。黙っていれば鼻筋の通った整った顔立ちであろうその顔は、苦々しい顔でエアー・スクーターを運転していた。
あれから自分の家に戻るとドアの前に見知らぬ男が立っていて、モルトラ大神官様から手紙を預かったと丁寧にお辞儀をしてきた。
中にはカードが一枚入っており、カードにはこう記されていた。
『メニア族 ガロン 弟王従者』
さっぱり意味がわからねぇ。しかし、先ほどのジジイとのやり取りから推測すると俺の敵がこのガロンって奴だという事か。
いったい、どこまで知ってるんだ?あのジジイは。
しかも、弟王従者って何の事だかさっぱりわからない。
兎に角、俺の核羽を捜すことが先決だ。そうすりゃ、ガロンとかいうメニア族の男を追う必要はない。
あの魔導士はガロンという名前だったのか?まあ、名前なんてどうでもいい。
アイツの強さは本物だ。やりあうにしろ正面からでは勝てないかもしれないな。
クソ!思い出したら腹がたってきた。
ジーナのエアー・スクーターは速度を更に上げて目的の湖に向かっている。後ろには荒れた道の砂埃が高く舞い上がった。
砂埃が落ち着く頃、エアー・スクーターより数倍速度のでる乗り物にのる4人の男達が現れた。
屋根の無い大きな箱に四つの輪がついている。人が乗れる籠車のようだが、車体は金属で覆われている為に見た目は厳つい印象を受ける。
Mオートと呼ばれるこの乗り物は、魔法力を動力にし、その力を車輪に伝える仕組みになっている
操縦者の魔法力に応じて移動ができる高価な乗り物である。
助手席に座る蛇のようなニヤついた顔が運転席の男に語りかけた。
「さて、俺たちもそろそろ動くぞぉ」
運転席の男は、「わかりました、ホルンさん」とつぶやきMオートを動かした。バルルルンと破裂音が鳴り、車輪が高速で回り始めた。
前に二人、後ろに二人のせた厳つい籠車は、エアー・スクーターの後を追いかける。
「ジーナが湖に着くと同時ぐらいに追いつくだろう。奴に核羽は回収させねぇ」
いやらしい笑い顔のホルンはさらにヒヒヒと漏らしながら他の3人に向かって独り言のように言った。
同時刻
お師匠に自宅謹慎の短縮を懇願し、なんとか友達のジュリとのお出かけの約束を果たしたリンは湖のほとりで一人散歩をしていた。
「ごめんね~。この後ちょっと用事があるんだ」
とそそくさと走っていくジュリを見送ったが、自分はとくにする事がないので散歩をしている。
「ちぇ…これだから彼氏もちはなぁ~~」
とブツブツ独り言を漏らしている。
なんとなくプラプラしていたので、なんとなくこの前の場所に向かった。
実際、自分の身に降りかかった事であるのだが、何があったのかよく判らないままなのである。
まだ、日も高い時間であるし、そう続けておかしな事はおきないであろうという自分勝手な判断をした。
リンはこの時にした自分の判断を、後にとても後悔することになる。
その場所にすでに先客がいるのをリンは確認した。
「あれー?お師匠。どうしたんですか?」
「なんだ、リンか。お前、出かけたんじゃなかったのか?」
「出かけましたよぉー。買い物もしましたよぉー。主にジュリちゃんの彼氏のものを」
「くっくっく・・・そうか、買い物に付き合わされたのか。それで帰りが早かったんだな」
「いいんですよぉー。どうせアタシには関係ない事だもーん。ってお師匠!笑いすぎです」
「フフッ、悪い悪い。まぁせっかく来たんだ。薬草積みを手伝え」
「散歩に来ただけなのに、お仕事ですかぁー?」
時間をもてあましていたリンではあるが、仕事がしたい気分でもなかったのである。
そんなリンをみながらクロストはやさしく言った。
「まぁそう言うな。今の時期にしか生えないものは鎮痛剤にも効くものだ。お前みたいなお転婆を体現してるような奴には丁度いい薬であろう?」
「アタシは本来おしとやかですぅーー」
「そうか?この前の翼人族の男には随分くってかかっていたじゃないか。ヤツに本気で攻撃されたらひとたまりもないぞ?」
「あんな無礼千万な男の事なんて思い出したくないですぅー。だいたい、あの時は完全に向こうが悪いじゃないですか!人をメスだなんて!」
「まぁ、生物学上から言うと間違いではないがな」
「お師匠はあの男の肩を持つんですかぁー!」
「いやいや、そう睨むな。そんなつもりで言ったわけではない。」
さてと、と言ってクロストは立ち上がり、少し目を細めて遠くをみつめた。そして、薬草の入った籠をリンに手渡した。
続きが楽しみだ・・・・^^
ホルンの性格悪いとこも好きw
クロストさんは・・・まだ謎です~
気になるから早く続きが読みたいですww
イメージはハリポタっぽい?などと思いながら読んでますww
ようやく再会出来そうな二人ですが、はたしてどうなることやらーー><
楽しみですww さくさくUPお願いしますねーww
マジカルなオートバイ?
冒険者たちはどこに行くのやら
(いぁ、それはどうでもいいかw)
おー、リン再登場~ リンの少し 天然?wってのも 実は好きだったりするんですよねぇ。
もしや 遠くに見えるのは ジーナ?ホルン?ww
これから何が 始まるんだろう~w
今回は①~⑤まであります。ちと長いですね。
エアー・スクーターは原チャリ
Mオートは自動車を連想してください。
(って説明しないでも判るように書けって話ですよね ハイ)