一人暮らしの冷蔵庫には、時限爆弾が潜んでいる。

おっと、卵６個もあるのに、賞味期限まで後2日。
１日3個は、使用しなくてはいけない。
おお、このパルメザンチーズ開封して、10日が過ぎようとしている。
開封した場合はお早めに。って、賞味期限が一体何日前倒しになるんだ！
ああ、こっちには、使いかけの玉ねぎと生姜が、これ、いつの使いかけ？
一人暮らしの消費は遅い。
よって、いつもこのように賞味期限との飽くなき戦いがつづくのである。

あるとき、食べたこともないのに、店頭に並ぶ艶やかなイカの塩辛に魅了され
思わず購入してしまったことがある。賞味期限は３週間。
家に帰って早速いただく＾＾
ところが、げっ。
このときはじめて知ったのである。オレ、これまったくダメだ！って。
それから、3週間、私の苦悩がはじまるのである。
嫌いだけど、折角買ったものだし、捨てるなんてできないなぁ。
なんとか消費しなくては、、、
毎日、ちびちび食べるが、一向に減らないのだ。

そして、いよいよ後３日で賞味期限が切れる頃、会社での会話。
同僚が、「ねえねえ、Ｙ崎さんって、グラマーだよね。」と、にやついている。
塩辛で、頭がいっぱいの私は、「うん、そうだね。」と、上の空。
「ううん？なんか乗り悪くない？どうかした？」
「別に。」

そんなことがあった夜のこと、家に帰り、冷蔵庫を開け、
私は残りの塩辛を恨めしげに見つめた。
残りの量に、半ば諦め、私は就寝したのだ。

その夜見た夢が、、、
部屋のチャイムが鳴る。
「うむ？誰だ？」
私は、玄関に行きドアを開ける。
すると、そこにはなぜか、トップレスのＹ崎さんが立っている。
それを見た私は、満面の笑みでＹ崎さんに、こう云うのである。

「Ｙ崎さん、ちょうどいいとこに来た＾＾おいしいイカの塩辛があるんですよ！」

それは、賞味期限がエロを越える貴重な瞬間なのでありました。