一色一生/志村ふくみ
- カテゴリ:アート/デザイン
- 2009/03/16 19:32:17
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[一色一生/志村ふくみ]
(講談社文芸文庫/現代日本のエッセイ1994初2001.6月10刷)
【色と糸と織と】
植物にはすべて周期があって、機を逸すれば色は出ないのです。
たとえ色は出ても、精ではないのです。
花と共に精気は飛び去ってしまい、
あざやかな真紅や紫、黄金色の花も、
花そのものでは染まりません。
友人が桜の花弁ばかり集めて染めてみたそうですが
それは灰色がかったうす緑だったそうです。
幹で染めた色が桜色で、
花弁で染めた色がうす緑ということは
自然の周期をあらかじめ伝える暗示にとんだ色のように思われます。
植物の命の尖端はもうこの世以外のものにふれつつあり
それ故に美しく厳粛でさえあります。
ノヴァーリスは次のように語っています。
..すべてのみえるものは、みえないものにさわっている。
きこえるものは、きこえないものにさわっている。
感じられるものは感じられないものにさわっている。
おそらく、
考えられるものは、考えられないものにさわっているだろう。
..本当のものは、みえるものの奥にあって、
物や形にとどめておくことの出来ない領域のもの、
海や空の青さもまたそういう聖域のものなのでしょう。..
染まって変化してハーモニーになって、使う程に
優しくやわらかくなって深みも出ていく』
ほんとうにそうですね♪いつかご本人とお会いされる機会があればいいですねー
かわいらしくてでも芯が強くてさっぱりしてて
優しく人への感謝のある、本当に素敵な女性だなって。
きっとあの方が織られた布はそれを纏う人にも
染まって変化してハーモニーになって、使う程に
優しくやわらかくなって深みも出ていくのでしょう。
彼女自身と付き合うように。そんな作品に
お見受けしました。憧れます。
していただき感謝感謝です。
この前記事読んですぐにHP訪問して来ました。
着物に憧れてメルマガは沢山取ってるのですが
雑誌は立ち読みなので1誌「七緒」だけ。
その「七緒」に出てた方なので驚くと共に縁に感動しました。
いやーー綺麗だったーー!目に栄養、心に潤い!
特にショールのページで思わずいっぱい写真取り込んで
しまいました。ごめんなさい。こっそり自分だけでスライドショーして
楽しませていただきます。
「光に透ける色」理想にピッタリでした!
ホント教えて下さってありがとうございました。
それにしても、D.J.Moonさんのお姉さまが牧師さんの奥様って
あまりにピッタリすぎて、何だか美しい物語の世界に迷い込んで
しまったようで、それもさらに素敵な体験でした。
今は牧師婦人の姉(少し前まで、保母さん、一時期、手織り)の親友の方が染織りをやられています。
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[ソメオリ・ヨシダ]という屋号で営業している染織業者です。
[糸を染めて布を織る———
吉田美保子のsome ori ノート]というブログをやっています。
http://someori.cocolog-nifty.com/
ブログのカテゴリーの、着尺、帯、ショール、オブジェは、
それぞれ作品集となっていますので、よかったらぜひご覧ください。
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椿の花
潔く花首からもげて落ちる椿だけが染まったって云うのも
その先にあるモノを拒否して色を残す道を選んだみたい
というのには、感銘しました。
私の苗字に染織の専門文字が含まれて居た事もあって
染織・染色に興味があるんだけど、草木染してた時
花でちゃんと染まったのは椿の花がほんのりうすい
ピンクになった程度で、玉ねぎの皮・野草の方が
よく染まったのを思い出しました。
潔く花首からもげて落ちる椿だけが染まったって云うのも
その先にあるモノを拒否して色を残す道を選んだみたいだ
なんて、そんな事まで考えてしまいました。
ノバーリスの言葉、すごいですね。