上村松園展は京都国立近代美術館で12月12日まで
- カテゴリ:小説/詩
- 2010/11/14 23:58:02
今回のカテゴリは「小説/詩」
「読書の秋に読みたい本」についてブログを書いてみよう!
……とのことですが、読みたい本ではなく、今読んでいる、今月24日までに読み終わらなければいけない本のお話。
近年、「公共無料貸本屋」と揶揄されているようですが、図書館は、わたしのような金銭的にも、部屋の広さにも恵まれていない身には、大変有り難い存在です。
去年は夏に地上波で観た「ハリー・ポッター」の5作目が意味不明でしたので、ようやく重い腰を上げて、原作7巻11冊(つまり、邦訳版。「これは、原作を読めたらもっと面白そう」と感じられる訳が心掛けられています)を冬までかけて読破しましたっけ。こんな分厚い本が両手の指の本数より多くだなんて、我が家の蔵書にしたら、代わりに何を処分しなくてはいけないやら。(毛糸の玉の山とか、毛糸の桛(かせ)の山とか、解いた毛糸の山とか、サマーヤーンの山とか、とにかく毛糸の山とか)
とはいえ、図書館の底力は、現在入手できるご本に対してでなく、絶版本が保管されているところに、発揮されます。「登場人物の学校指定教科書(所有者やその友人の書き込み入り)/たちが図書館で借りて読んだ本」という設定で書かれた、チャリティ目的の本は、今は書店には並んでいなく、図書館でなければ、古本屋に行かなくてはならないのでは、と思います。(本を読むのに代金を払わなかったわたしたち図書館の利用者たちにも、「盗人の呪い」はかかるのかしら。図書館がきちんと本代は出している筈ですが…。)
また、図書館は、そこの蔵書に無いご本でも、国内の図書館に有れば、借り出してきて貰うことすら、できます。
昔好きで読んでいた、翻訳幻想文学の、文庫本でしか出版されなかったご本を読みたくなったとき、試しに「リクエスト」してみましたら、それぞれ滋賀県と徳島県の図書館から借りてきてくれました。
そのシリーズは、後年「註釈付き版」がハードカヴァで出ましたので、そのときにわたしの居所の図書館の蔵書に入ったのです。それらを借りて、その後に出た、いまだ続いている巻を借りて、…今年9月にも新刊がありましたので、現在、図書館の蔵書に入らないかなー、と待っている最中。
調子に乗ってそのシリーズの、アマゾン・日本が台頭するまではわたしも出版を知らなかった、本伝を書いていらっしゃる作者以外の方が参加してる巻(勿論、邦訳は文庫版)をリクエストしてみましたら、さすがに「有りません」とのお返事でしたけど。
現在借りてきているのは、東山魁夷さんとは違う青の印象的な、日本画の美人画の大家、上村松園さんの本です。いずれも今月24日が返却期限。
今、上村松園展が京都に来ているので、予習して出掛けることができたなら、と思いまして。はたして、旅行する気力体力、わたしに残されているかしら。
とはいえ、京都展の展示入れ替えは丁度24日ですので、前期のうちに出掛けたいなら、これらのご本は「それまで」に読み終えているに越したことはありません。
3冊とも随筆集です。
青眉抄
青眉抄その後
青帛の仙女
(あれっ、このブログのカテゴリ、「小節/詩」ですけど、随筆のお話して、よいのかしら…?)
「青眉抄」と「青眉抄その後」は、現在合本された版が入手可能みたい、です。
「青帛の仙女」はわたしの行きつけの図書館の蔵書ではありませんでしたので、リクエストを出しました。
案外早く所蔵館が見付かったな、それなりに「出ている」筈の本ですものね…と思いましたら、なんと、県立図書館から。この図書館から歩いて15分くらいで行ける所です。
…申し訳ないことをしました。
返却期限までに読み終えることができなければ、県立図書館に直に借りにゆきます、から。
まだまだ読み始めたばかりで、あまりご本の感想は出てきていませんが。
幸田文さんに通じる、はきはきした文体だな、と思います。松園さんは明治・大正・昭和を生きて、わたしの母が2歳のときに没したお方。原文はきっと旧仮名使いだったのでしょう。
うーん、パーマネントウェーヴ(パーマ)を「電髪」ですか。
わたしの母はまさにその流行のど真ん中に居ましたが。わたしも、幼心にあれはあまり好きではありませんでした。
わたしはもう、15年以上、美容院・理髪店の類とは縁の無い身。ドイツ・ゾリンゲンのメーカーの鋏を買って、鏡を見ながら自分で切ってます。
かといって、身分階層ごとに結う髷が決まっていて、結婚したらこれ見よがしに新妻の髷を結わなくてはいけないのは、窮屈。(松園さんは、それが失われてゆくことを嘆いて、絵筆で描き残したお方、です。)
かつて、わたしの世代の多くが結婚を迎える年齢に差し掛かった頃、どなたかが、「新婦が高島田を結うなら、新郎は丁髷を結うべき」と言った方がいたとか、いないとか。
男性は実用的でなくてはいけないので、さっさと散切り頭にしてしまったのですね。