なれる! SE 感想
- カテゴリ:小説/詩
- 2010/11/11 05:19:59
予想外にブラック感はなかったし、ふつうの会社のふつうの話でした。
SEの体験記みたいな話で・・・
他の方にもおすすめかというと、あんまりおすすめでないなあ。
ライトに読むぶんには悪く無いと思うし、SEの雰囲気をなんとなくわかるのにはいいのかもしれません。
簡単にいうと、ブラック企業とされるシステム会社に就職してしまった
主人公:工兵くんの入社2週間の奮闘記でした。
1.どこらへんがブラック?
ブラック企業との定義だけど、この程度の会社がブラックという印象はまったくありません。
深夜残業も、納期や条件で客先にムチャ言われるのも、どこの業界のどこの職種でもよくある話。
(もちろんいい悪いの話ではありません)
連日の深夜残業程度では武勇伝にもならんと思いますが・・・
過酷な労働環境というのを2週間で表現するのは無理なのでしょうか。
あるいは、ラノベでそこまで泥臭い描写を出すのはNGなのでしょうか。
社内の人間関係がうまくいっていればブラック感がなくなるということなのでしょうか。
もう少し悲惨なものを想定していたこともあり、意外なほど「いい会社」でした。
2.けっこういい会社だなあ
ちょっととっつきにくい先輩と、ド素人だけどビジネスリテラシーの異様に高い新人をコンビにさせるのは
意図的なものであったと最後に判明します。
あまり描かれてないけど、会社が会社としてうまく回っている印象をもちました。
社長が無茶な仕事とってくることを否定的に描いてるけど、
会社としては仕事がない方がよっぽど困るはず。(むしろそちらのブラック話を読みたいようなw)
3.クライアント、ムチャにもほどがある
やはり企業の情報システム担当者が悪役扱いでした。SEさんからするとそう見えるんでしょうね。
それはさておき、昼休み(12時~13時)に、13時から使うシステムいじるなんて正気の沙汰とは思えません。
ムチャにもほどがあると感じました。
このクライアントは証券会社。後場のはじまる12時半にバックアップ環境なしでいじってもいい
システムなんてのがあるのだろうか。
ん?ひょっとしてブラックなのはこの証券会社なのか?
4.主人公のすごすぎる応対
会社よりも、こちらのほうが現実離れしてました。
入社2週間たたない新入社員が、
経験不足を指摘し立腹するクライアントに対してその場でとりつくろうコメント。
これはすごい。すごすぎる。実はここが最も印象に残りました。
「・・・そちらのご懸念はよくわかりました。確かに、担当するエンジニアの詳細を事前にお伝えできていなかったのはこちらの不手際です。申し訳ありません。今のお話は社に話を持ち帰り、あらためて御説明の場をいただければと思います。」
「ただ、新規のエンジニアを連れてくるにしても、ある程度案件の状況を理解した上でないとまたご迷惑をおかけすることになるかもしれません。ですから簡単にで構いませんので、今回の件、ご要件をうかがわせてもらえませんか」
言葉の使い方もすごいけど、多少駆け引きめいた提案に一瞬で持って行くのもすごい。
新人ができる応対じゃねえよ。どこのやり手営業マンだw
なんでこんな機転のきく奴が就職に失敗したのだろうか。
そんなところでしょうか。
SEの雰囲気を掴むにはそれなりに役立ちました。
ただ、じっくり時間をかけて読む本ではありませんね。
2時間通勤にかかる上に毎日23時頃まで作業して、休出しても
さっぱり終わらない案件ってありましたなあ。
その日に帰れたら今日は早いねって状態で。
でもそれでやれって言う上もどうなんだって感じでしたねえ・・・
仕事ないよりはいいって言っても限度があるよなと。
そこから離れた今はもうそれが当たり前でやっていた頃には戻れません^^;
もうほとんどお読みになりました。
気軽に気楽に読めるのがラノベのいいところですね。
いちおう、青少年に夢と希望を与えるのもラノベの使命のひとつでしょうから、あまりにブラックな真実を書きすぎるのはストップがかかったのかもしれませんね。
そしてやっぱり主人公は「とくべつなちからを持って」いないと!(笑)
・・・2巻は読まれる予定はないようですね(^^;
読んだ気になれましたw ありがとうございます。
私が前にSEやってたとき「SEになった以上GWと正月があると思うなよ」と上司に言われたことを思い出しました。
昼休みにリリースなんて!無理です!w
>syonaさん
以上をふまえ「なれる! SE 2」 をぜひ読んでくださいw
充分読んだ気になりました^^
主人公は営業の方が向いているかもしれないwww
ラノベのレーベルなので、残酷物語ではなかったんですね