短編 (1)
- カテゴリ:自作小説
- 2010/10/31 12:54:59
私の一族は殺し屋だ。法で裁けない悪に、天誅を下すのが主な仕事だ。
といっても、そんな大層なことをするわけではない。ただ、ちょちょいのちょいで毒薬をつくり、それを標的の食事などに混ぜ込むだけだ。まだ五年ほどしか続けてないが、それなりな風格がついてきたと、じぶんでも思う。
そんな、毒薬の材料でも、なんだかんだで一般の施設からでも手に入れることは出来る。
しかし、足がつく可能性も高くなる。じゃあ、どうすればいいのか。そうしたら、「そういう」ところから買うしかない。
まあ、ぐだぐだ長い話をするのは面倒なので簡潔に言うと、事の発端は私が愛用している、「そういう」薬屋に行ったことからだった。あまり家からでない私が、買い物をしてほくほくしていると、大きな公園があった。半ひきこもり(学校以外でまったく外に出ない)のような生活を送っているので、いつもだったら絶対に寄らなかっただろう。
ただ、その日は本当に満足した気分だったのだ。手に入れた薬は、それほど価値があった。
公園は、中に売店があり、湖ほどの池があった。ボートもいいかな、なんて思ったが、お金がなくて断念する。周りを木々に囲まれた、ひっそりとしたベンチに座って、今日手に入れた物を取り出そうとしたときだ。
ぷるるるる、と携帯電話が鳴った。
私のじゃない。私は、携帯電話は持っていない。私の師匠でもある両親から、そのような物はもしつかまったときに、仲間にも危機が及ぶのだと教えられている。本当は、二人とも機械音痴なだけだけど。
ベンチの下だった。誰かの置忘れのものかもしれない。ピンク色で、テディベアのストラップがついた携帯電話だった。すっごく可愛い。でも、なんか古臭い。形とか、厚みとか、何世代か前の機種に見える。
もしかしたら、自分の携帯がどこにあるのか知りたくて持ち主が掛けているのかも知れない。私は、携帯電話を拾い、軽く砂をはらって受話器を取った。
「動くな」
低い声でいわれて、私はわけがわからず固まった。
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- まおう
- 2011/11/02 23:00
- あんぴさん作品の空気が・・・・・・思い切り傾いてきてる・・・
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