ダンジョン探索ゲームのような夢を見た。
- カテゴリ:日記
- 2010/10/30 21:30:13
書いておきたかっただけ。
そこは、寂れたお寺だった。
そのお寺の敷地の入り口には、お地蔵さまがあった。
なんとなく、芸能人のつるべさんに似たお地蔵さまだった。
お地蔵さまはすすけて、眉毛は片方が欠けていた。
お庭には、灰色の砂利が敷いてあった。
鬱蒼とした木々のアーチを抜けると、右手に本堂、左手に厨。
参拝者用の本堂の入り口は、ぴったりと木の柵が閉じていて入れない。
奥の暗がりに、うっすらと大仏さまが見えた。
もう少し進むと、本堂の別の入り口を見つけた。
だだっ広い玄関。正面の廊下は陥没していて通れない。
靴を脱いで、右の廊下へ進む。大仏さまの下へ出る。
手を合わせると、参拝者用の入り口がするすると開いた。
そこは通らず、来た道を戻り、玄関の左手の廊下へ。
もとは売店だったらしいこぢんまりとしたスペース。
経典、数珠、お札にお守り、それになぜかおもちゃの木刀まである。
木刀の中から、一番頑丈そうなものを選んで持って行くことにした。
その先は、長い渡り廊下。途中にまた木の柵があったが、横の隙間をすり抜けて進む。
つきあたりを右へ。すると、間もなく行き止まりだった。
そこには仏像のようなものがあった。
それは、背後の岩の割れ目から流れ落ちる清水に打たれていた。
それは、漆塗りか何かのように赤黒くつやつやと光っていた。
それは、確かに菩薩さまの格好をしていたけれど、お顔はまるで信楽焼の狸だった。
それは、にやにやと笑いながら、小さな小坊主の頭に手を乗せていた。
泣いているような顔をした小坊主も、漆塗りのように赤黒く光っていた。
恐ろしくなって、踵を返した。
渡り廊下を戻る途中、枯山水の中庭に大きな板が落ちているのを見つけた。
壊れた手すりの所から庭に下りて、それを拾った。
玄関に戻ると、正面の陥没した廊下に板を渡した。
その上をそろそろと渡って進むと、事務室のような部屋に出た。
部屋中に散らかった文書のほとんどは、漢字ばかりでおまけに達筆過ぎて読めない。
しかし、根気よく探すと、子供が忘れていったらしい自由帳を見つけた。
名前の欄には「3年2組1班」。中は小学生の男子の雑な文字が躍る。
「大仏とたぬき をかわりばんこに 5回 おがんだら つるべの」
そのあとは、もう殴り書きのようで読めない。
文机の下に、鍵を見つけた。付いている木札の褪せた文字は、「厨」と読める。
玄関から外に出て、厨の入り口を探す。
ずっと奥の方に、入口はあった。持っている鍵で開いた。
薄暗く埃っぽい台所。クモの巣の張ったかまど。
奥の座敷へ上がってみる。
なぜか押入れを見つけた。立てつけの悪い戸を開けてみると、黴臭い臭いがする。
積み重ねられた布団の中に、恐る恐る手を入れてみた。硬い感触。
引き抜いてみると、この場に似つかわしくない、ぴかぴかの最新号のジャンプがあった。
巻頭カラーは美川べるの。しかも大増量50ページ。このジャンプは偽物だ。
読み耽って、気がつくと外がもう夕暮れだった。
慌てて厨を出て、小学生のメモの通り、大仏さまを拝みに行く。
それからあの漆の狸のような仏像の下へ。夕暮れの恐ろしさも相まって小走りになる。
それを5回、繰り返したところで、遠くで何か音がした気がした。
お寺の敷地の入り口へ走る。もう足元もよく見えないほど暗い。
つるべ地蔵の元へ辿りついて驚く。眉毛が両方とも揃っていた。
少し出っ張ったそれを、両手で同時に押す。
やや間があって、ずしん、と地響きのような音が
……ここらへんで、宅配便のお兄さんにチャイム押されて起こされた。
なんか起きる直前、赤黒い狸顔の仏像が動いて小学生を追いかけてるのが見えたから、
もしかしたら木刀で大仏と戦うのかもしれない。
偽ジャンプは何に使うんだろう。どこかに仏像の弱点でも書かれてるのか。
終わり。