ベンジャミン・バトン 数奇な人生
- カテゴリ:小説/詩
- 2009/03/11 23:51:47
映画と原作の違いとか。(原作小説ちょっとネタバレてます。)
映画鑑賞後、気になったので、原作小説を調べて立ち読みでパラパラとめくってみたら、
ちゃんと読みたくなって購入してしまいました。
アマゾンJPで”一時的に在庫切れですが、商品が入荷次第配送します。”をポチッてから、
しばらく待たされたれてやっと到着したので、さっそく読みました。
スコット・フィッツジェラルドの短編集
「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」の表題作です。50ページ。
原作といっても、映画は名前と老人から赤ん坊になっていくというアイディアをとっているだけです。
時計職人の逆回転の時計のエピソードもないし、ベンジャミンの父の職業はボタン工場ではありません。
映画の中で私が好きだったり心を動かされたところは、ぜんぶ映画の創作された付加部分でした。
創作といっても、ハリケーンのカトリーナは現実の出来事だし、ドーヴァー海峡を泳いで渡った女性や、
7回雷に打たれて死ななかった男は、現実にあった話からですが。
原作の小説では、滑稽に感じるほどブラックに時間が逆行したベンジャミンの人生が語られています。
赤ん坊でも老人は冷たく扱われ、老人でも赤ん坊なら若い女性にキスとかしてもらえます(笑)
小説のベンジャミンは、老人のような赤ん坊ではなく、体も精神も70歳の老人として生まれ、
母親は死なないし捨てられもしませんが、映画のように周りから愛されては育ちません。
実の父親に疎まれ世間から疎まれ、年齢が近い祖父とだけはうちとけることができたものの、
辛い子供時代を送りますが、50歳(20歳)になるころから人生が好転します。
同年代になった父と和解し、世間からも認められますが、ベンジャミンは若返り続けます。
しだいに生じ出した不和から逃げ出すように、かつて拒まれた大学に入学し青年時代を謳歌します。
そして少年になった彼は、父親から疎まれたように自分の息子からも疎まれる存在になっていました。
幼い子供があっという間に成長していくのを逆行させたように、どんどん若返えっていくベンジャミンは、
孫が卒業していった幼稚園に取り残され、やがて幼稚園にも通えなくなります。
ベンジャミンが幼くなってからは、少し映画のイメージが重なりました。
彼の世話をするのは年老いたかつての恋人ではなく若い乳母ですけどね。
たとえ人とは違った人生でも、けっきょくは同じなんだよと言われてる気がしました。
では、残りの短編を読みます。
まだ次が聞けると思っていたのに7回全部話し終えずに亡くなったのは、私の涙ポイントでした。
人生って終わるのではなく、実際には中断するのですよね。素晴らしい脚本だと思います。
映画で観ると長編の気がしますが。
雷に7回打たれた男、あれは面白かったんですが、現実にあったんですね (汗)
>楓サマ ”すいません。”はいらないですよー。
>こーへいサマ ありふれた生活の中の幸せって気が付きにくいものですね。
>おざわちゃんサマ 小説はブラックで、ニヤッとしながら読んじゃうんですが、でも深いです。
>ruruサマ ”雷に7回”はギネス記録です。8回でギネス更新できます!
7回雷に打たれて死ななかった男は、現実にあった話だったんですねしりませんでした。。
映画と原作は結構違うんですね。。
すいません。