Nicotto Town


きいてニコタリーナ


現況の描写を試みる(失敗例)

バイトを休んだのだから、と無理やりベッドの上で目を瞑り、

何度か訪れたごく浅い眠りの中で、現実の続きのような妙に生々しい夢を見る。

もう眠れなくなるまで粘っても、風邪ではないので当然のごとく症状は和らがない。

むしろ、空腹を覚えて台所に向かおうとしたら、足元が何とも頼りなく、

老人のように腰を曲げ、壁伝いにそろそろと歩くしかない始末。

食事の用意をする間にも、たびたび全身を襲う悪寒によって、

足が踏みしめる床の感触が、寄りかかるシンクの感触が、何度も私から遠のく。

頭が痛い。寒い。汗が止まらない。満たされた胃が重い。

おそらくこの1年で最大の苦痛(と称するのもお笑い草だが)。

容易に手の届く場所にある、薬のたった2粒でこの状況を脱することができるという誘惑。



しかし私は考える。

私は変わりたいのだ。薬を必要としない自分へ、一人で生きていける自分へ。

変化に苦痛はつきものだろう。

もうすぐ22歳になる。大学でモラトリアムに安住していた人間も、自立する年齢になる。

また、誕生日のある週末、私は帰省する。

今後どうやって生きていくのか両親と話し合わなければならない。

薬の卒業と同時に、その誕生日を迎えられたら。



また考える。

私は本当は自立などしたくないのかもしれない。

ネットを覗いて、本や漫画を読んで、人形を作って、

楽しいことだけして生きていられた今までを惜しんでいるのかもしれない。

この苦痛(笑)は、無意識からの抗議を含むのかもしれない。

自分に自立ができるわけがないと泣いているのかもしれない。

あるいは、こう考えること自体が、薬を飲まないことでやはり実は落ち込んでいる

精神状態のせいかもしれないし、

生理前のホルモンの状態がなせる思考かもしれないし、

逆に、体調が優れないことによって気分が落ち込んでいるのかもしれないし、

その全てかもしれない。よく分からない。

思っていた以上に混乱している。頭が痛い。



本当にこの苦痛(笑)が去る時は来るのか?




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