居候
- カテゴリ:日記
- 2010/09/29 16:07:12
先週の土曜日が、昨年他界した染職人の伯父(姑の兄)の一周忌でした。
お彼岸に亡くなる人は徳が高いなどと言われていますが、家庭人ではありませんでした。
「俺は遊ぶよ。良い女と遊ばんと良い仕事のできんもん。」と言い切り
次々と彼女を作ります。
それでも、伯母は
「俺は勝手に遊ぶばってん、あんたのおらんと仕事にならんけん、おってもらわんと困るて
言いんしゃあっちゃもん。仕方なかとよ。」
と、誠実に職人の妻の役目を担っていました。
そんな伯父の訃報に、私にとっては初対面の謎の女性が、鹿児島から駆けつけました。
それ以来、伯父の全ての法事に、かるかん饅頭を大量に提げて来てくれます。
彼女と伯父とは、本来なんの縁もゆかりも無かったのです。
ある日、伯父が彼女を拾ってきて、それから何年もの間、居候させていたのだそうです。
夫も子供もあり、普通の家庭の主婦だった彼女は
家庭内の人間関係や自分の病のことなど、様々な困難に押し潰されそうになり
「死のう」と決めて、鹿児島の家を飛び出しました。
とりあえず博多に出てきて、すっかり取り乱した様子の彼女を
たまたま伯父が見かけて「落ち着くまで、家におったらよかたい。」と連れて帰ってきたのです。
きっと、その時は伯母だって、さすがに黙って受け入れたわけではないのでしょうが
今の彼女と伯母は、すっかり身内のようにうちとけています。
もしかしたら、これを人徳と言うのでしょうか?
褒められた話でもないような気もするんですが・・・・^^;
乗り物で席を譲ったり、小銭を返してもらう気も無しに立て替えたりするのと同じ延長線上で
そういう人助けも行われていたように思います。
今の世では、物騒でできませんがw
信ずるに足る生き方という基本の部分が崩壊してしまってるんでしょうね。
家の家系は、ダンナの両親のどちら側も、また私の両親のどちら側も
愛人のオンパレードでございますw
ウチの家系、愛人だけは作らない、帰巣本能が薄い分、なぜかしら一途なのですが、
人助けってのを、何の気なくやる。
昔はそういう人、多かった気がします。
誰にも真似はできないよね^^;
>みっきーーさん
強いと言うか・・・潔い?男気のようなものは、伯父以上にあったのかもしれません。
後継ぎも無く、一人ぼっちになった伯母を、甥姪そろってバックアップする体勢です。
>はるなさん
縁は異なものおつなもの?
事実は小説よりも奇なりですw
>モクレンさん
最初は、本当にびっくりしたでしょうし、腹も立っただろうと思うんですが
もともと、サバサバした性格の伯母ですから
きっと、彼女の身の上話を聞くうちに、すっかり共感してしまったんでしょうね。
これもめぐり合わせと言うものなんでしょうねぇ。
結局、女は強いのかもしれませんw
そうなのよねぇ・・・とりあえず、死のうとまで思いつめた人が
元気で幸せそうに生きているんだから、良しとするべきなんだろうけどね・・・
たぶん、おいしゃん(伯父)のキメ台詞は
「俺の稼いだ金で食べさするて言いよっちゃけん、なんの文句のあるとや?」
だったことでしょう。
一方では人助けだけど、おばしゃん(伯母)の人格はないがしろにされたわけですから
なんだか釈然としない美談なんだよね^^;
>山鳥さん
でしょ?
私にも不可解なのよねぇ^^;
>ミッキー☆さん
確かに、伯母と出会えた伯父は強運の持ち主なんだと思います。
職人人生は、余すところなく全うしましたが、常識人の範疇にはどうしたって入れない生き方です。
それでも、好き放題に幸せな人生を送れたのは、相性の良い伯母に巡り合えたお蔭ですからね^^;
>bジェーンさん
心が広いというか、諦めが良いというか・・・・とにかく、サバサバした人です。
それでなきゃ、こんな身勝手な夫と、底意地の悪い小姑4人を相手にすることはできなかったでしょう。
忍耐というより、切り替えの早さだと思います。
伯母の実家のみなさんに、伯父の法事で初めてお会いして
みなさん、潔い性格をしていらっしゃるので、なんとなく納得がいきました。
でも、もしかしたら 叔母さんにとって 伯父さんの思い出を一生語れる
お友達と引きあわせてくれたのかもと思いました。
そういう人との出会いって、本当に重要だなと思います♪
すごすぎる~
伯母さまは強いお方ですね。
話ですね~^^;
その伯母さま、心の広いお方ですね~。
伯父さまは奔放なお人柄、普通の女性にはついていけませんね。
仕方ないって、良くこんな女性と出会って家庭を持ったものだと、感心せざるを得ません。
世界が違うなぁ
そしてなにより、一人の女性が今もちゃんと生きているってことは、やっぱりそこは褒める話なんだと、多分(汗)思います。