Nicotto Town


ぐだぐだ真誠日記


童話ウーマン


「ハァ…友達欲しい……」
ーそう運命のイタズラとはある日突然やって来る。人との出会いはまさに一期一会。これは私の人生に大きく関わった一生一度の出会いの物語。
「ウーマン」
夏真っ盛り、ムシムシした暑さの中少女は公園の片隅のベンチに腰掛け手にはムシアミを持ち遠くで遊ぶ同い年の子供を見ていた。少女には親しい友がいないのだ。夏休みというのに毎日一人で遊んでいる。小学4年になったのだから何か変わるのではないかと思っていたが一向に友達はできない。少女は今自分の前にある現実を目にしかくぜんとしていた。そんな時だった。
ウゥーン ウゥーン
少女の耳におかしな音が拾われる。
「セミ?」
少女は立ち上がり手に持った網を激しく音のする方へ無我夢中で振り回す。
「ぎゃ!!!」
少女の耳にまたもや音が拾われる。今度は紛れもなく人の声。網が何かにひかかっている。そっと上げて見ると人が立っていた。
「あぁ…全く最近の子はすぐ人とセミを間違えるんだから…」
「え!?」
目の前の人は何やらブツクサ一人で何かを言っている。少女は改めて謝りだした。
「どうも申し訳ありません」
目の前の人は「気にしない」という感じに手振りを見せると胸ポケットに手を突っ込む
「申し遅れました!!」
名刺を取り出す。
「夢を売る女…」
名刺しにはそう書いてあった。
これが私とあの人との出逢いの1ページだった!

#日記広場:自作小説




Copyright © 2025 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.