10年前、会社の同僚に、21歳のＹちゃんという女の子がいました。

彼女には、素敵な婚約者がいました。

彼女とは、よく会社から駅まで、いっしょに帰ることがありました。

彼女は、とても元気な子で、話す声が異常に大きいので、

ボクは、自分の口元に人さし指を立てて、

「Ｙちゃん、しーぃ。声、大きい。みんな見てるよ」と、からかいました。

すると、彼女は、顔を真っ赤にして、いつもボクの体を手でバシっとたたいて

「もぉー。しーぃ、って何。おおげさ！」と、いつも、笑ってくれました。


ある朝、Ｙちゃんと駅で会い、

「寝むそうですね。」と、彼女はボクに、ニッコリして云うので、

「うん、昨日、遅くて寝不足だよ。」

すると、すかさず「寝不足星人ですね。」と、真面目な顔をしているのです。

ボクも、すかさず「そんな星人いないから。」と、冷たくあしらうというパターンが

日課になっていきました。

とにかくボクを○○星人にしたてるのです。

お疲れ星人、ネムネム星人、おはよう云わない星人、ふきげん星人、

ムラムラ星人、元気ない星人、お腹すいた星人、、、などなど。

そのたびに、ボクは、「そんな星人いないから。」と、あしらいました。

これは、彼女が、結婚してやめる日まで、つづきました。

彼女が退社後、ボクは、○○星人にはならなくなりました。

ときどき、そのときのことを思い出すと、ちょっと思い出し笑いしちゃいます。

「そんな星人いないって。」と、独りごとをいいながら、、、＾＾