ところてん 心太
- カテゴリ:グルメ
- 2010/08/21 23:37:57
結婚するまでは、売っているところてんを買って食べたことがありませんでした。
実家では、ところてんとは、手作りするものでした。
気が遠くなるほど、手間がかかりますが、最高においしい・・・。
今は、買って食べますが、あの味が恋しくて。
三浦半島は、テングサが打ち上げられます。
荒れた後の海が最高。春先に潮干狩りのついでに。
褐色の海草です。
砂浜に打ち上げられた、テングサを拾ってきます。
家に帰ったら、ひたすらバケツの水を取り替えては洗います。
廃材のトタン板に広げて干します。
からからになるまで干します。
庭木の水遣りのたびに、また水をかけます。
干しては水をかけることを、思い出したように繰り返します。
すると、褐色だった海草は、白っぽくなります。
よく乾燥して袋に保存します。
夏、保存してあった、それを出してきて、洗い、大なべで水と一緒に煮ます。
吹き零れないように、煮出します。ただでさえ暑い夏、火のそばで、汗だくになりながら。
さらしの布巾で作った漉し袋で漉します。
大きなステンレスのバットに流して、水を張ったシンクにバットごと浮かべます。
冷えてくると固まります。
ところてん突きに入る大きさの角柱状に切り分けます。
タッパーなどに移し、さらに冷蔵庫で冷やします。
きんきんに冷えたところてん。
しゅるっと突いて、ガラス鉢に落とします。
酢としょうゆをかけていただきます。
好みでからし、わさび、おろししょうが、刻みのりなどを加えたり。
拾ったモノで、こんなに手間ひまかけてまで作るというのが、貧乏臭く思う人もいるかもしれません。
でも、あの心の豊かさは何ものにもかえられない。
苦労して作ったからおいしいというのもありますが、ホンモノの味だというのもあると思います。
市販のところてんの材料は、テングサばかりではないみたいです。
それに、あんな海草どこにでもあると思っていたら、大間違い。
三浦の海にはあるけれど、大洗の海にはありませんでした。
そして、今は休みがない。
潮干狩りなんて、かれこれ10年してません。
え~ん。